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當代
かさね
來しが
當代の
新田のあるじは
家につきて
血統ならず
一人娘に
入夫の
身なりしかば
相思ふの
心も
深からず
且は
利にのみ
走る
曲者なればかねては
松澤が
隆盛を
含春も
亦明敏にして、
此の
句を
見て
略ぼ
心を
知り、
大に
當代の
淑女振を
發揮して、いけすかないとて
父に
告ぐ。
父や、
今古の
野暮的、
娘に
惚れたりとて
是を
公に
訴へたり。
娘に
書かせたる
事論なしとこゝの
内儀が
人の
惡き
目にて
睨みぬ、
手跡によりて
人の
顏つきを
思ひやるは、
名を
聞いて
人の
善惡を
判斷するやうなもの、
當代の
能書に
業平さまならぬもおはしますぞかし