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たうだい
かさね
來しが
當代の
新田のあるじは
家につきて
血統ならず
一人娘に
入夫の
身なりしかば
相思ふの
心も
深からず
且は
利にのみ
走る
曲者なればかねては
松澤が
隆盛を
含春も
亦明敏にして、
此の
句を
見て
略ぼ
心を
知り、
大に
當代の
淑女振を
發揮して、いけすかないとて
父に
告ぐ。
父や、
今古の
野暮的、
娘に
惚れたりとて
是を
公に
訴へたり。
娘に
書かせたる
事論なしとこゝの
内儀が
人の
惡き
目にて
睨みぬ、
手跡によりて
人の
顏つきを
思ひやるは、
名を
聞いて
人の
善惡を
判斷するやうなもの、
當代の
能書に
業平さまならぬもおはしますぞかし
鬼子とよべど
鳶が
産んだるおたかとて
今年二八のつぼみの
花色ゆたかにして
匂濃やかに
天晴れ
當代の
小町衣通ひめと
世間に
出さぬも
道理か
荒き
風に
當りもせばあの
柳腰なにとせんと
仇口にさへ
噂し
連れて
五十稻荷の
縁日に
後姿のみも
拜し
得たる
若ものは
榮譽幸福上やあらん
卒業試驗の
優等證は
何のものかは