“浪頭”の読み方と例文
読み方割合
なみがしら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おつは、もはや、ではありませんでした。そのうちに、おそろしいはなれました。見渡みわたすかぎり、大空おおぞらは、ものすごく、おおきな浪頭なみがしらはうねりうねっています。
幽霊船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
浪頭なみがしらのように巻き返した大勢は、その時どッと横合から槍、大刀をひらめかして来たのを、浪人は玄蕃の一刀を後ろへけ、持ったる鉄扇に力をこめて、ピシリッと馬の尻をったので
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よじれて来る浪頭なみがしらを一すくい掌にすくい取って口にふくみ顔を撫でて新らしい三尺手拭でふいた彼は、眼の前の春の海原のなかに木屋町の白けたきぬぎぬを思い出した。あけ方の廊下は冷たかった。
百喩経 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)