“いとお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
射透18.8%
18.8%
可憐12.5%
最惜12.5%
最愛12.5%
射貫6.3%
射通6.3%
6.3%
6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秋の日は赫々かくかくたる眼光を放ちて不義者の心を射透いとおせるなり、彼は今日もじ籠りて炉の傍に坐し、終日飯も食わずただ息つきてのみ生きておれり、命をかけて得たりし五十金
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
それは日輪の下に一つの花芯かしんをつつんで生命をいとおしみあう花弁のむつみと違わない。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義明はひしと鳰鳥を可憐いとおしそうに抱えたが、甚五衛門を睨みつけ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
花の中に、母君の胸がゆらぐ。おお、最惜いとおしの御子おこに、乳飲まそうと思召すか。それとも、私が挙動ふるまいに、心騒ぎのせらるるか。客僧方あなたがたには見えまいが、の底にむものは、昼も星の光を仰ぐ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
余は胸がドキドキする、是を思うと余は迚も盗坊などに成れる性質でない、最愛いとおしの秀子が為なればこそ斯様な事もするが金銭の慾などの為なら、寧ろ餓え死ぬ方が幾等気楽かも知れぬ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ああ、血潮を浴びて、白羽の矢が額を射貫いとおしたわいのう。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
中には光線が森を射通いとお工合ぐあいであろう、青だの、赤だの、ひだがって美しい処があった。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
遮莫さもあれおれにしたところで、いとおしいもの可愛かわゆいものを残らず振棄てて、山超え川越えて三百里を此様こんなバルガリヤ三がいへ来て、餓えて、こごえて
彼は肥って色が白かった、それが黒眼鏡を掛けだしてから、いっそう静な清浄な感じのする子供になった。彼をいとおしむ言葉が、弟らの前で、しばしば周囲の人々の口に上った。
青草 (新字新仮名) / 十一谷義三郎(著)