最惜いとお)” の例文
実は、涙をもって、あわれに、最惜いとおしく、その胸を抱いて様子を見るべきはずで。やがてまた、物凄ものすごさ恐しさに、おののき戦き、そのはだを見ねばならんのでした。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
花の中に、母君の胸がゆらぐ。おお、最惜いとおしの御子おこに、乳飲まそうと思召すか。それとも、私が挙動ふるまいに、心騒ぎのせらるるか。客僧方あなたがたには見えまいが、の底にむものは、昼も星の光を仰ぐ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)