なさけ)” の例文
姉は物も言わんで、微笑ほほえんで、のうるんだなさけの籠るひとみで、二郎を打眺うちながめている。二郎は姉のたもとにしかとすがり付いたまま、もうもう決して決して、放さないと決心したのである。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)