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愛
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あい
ふりがな文庫
“
愛
(
あい
)” の例文
世界
(
せかい
)
の
植物
(
しょくぶつ
)
を
愛
(
あい
)
する
人
(
ひと
)
たちで、おそらく、わたしを
知
(
し
)
っていないものはあるまいね。わたしは、
南
(
みなみ
)
の
温
(
あたた
)
かな
島
(
しま
)
の
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
で
育
(
そだ
)
ちました。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
早稻田
(
わせだ
)
を
出
(
で
)
たものは
早稻田
(
わせだ
)
を
愛
(
あい
)
し。
大學
(
だいがく
)
を
出
(
で
)
たものは
大學
(
だいがく
)
を
愛
(
あい
)
するのは
當然
(
たうぜん
)
で、
諸君
(
しよくん
)
も
必
(
かなら
)
ず
其出身
(
そのしゆつしん
)
の
學校
(
がくかう
)
を
愛
(
あい
)
し
且
(
か
)
つ
誇
(
ほこ
)
らるゝでしよう。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
蝙蝠
(
かうもり
)
が
猫
(
ねこ
)
を
食
(
た
)
べるかしら?』なんて
云
(
い
)
ひました、それで
愛
(
あい
)
ちやんは、どつちが
何
(
ど
)
うとも
其質問
(
そのしつもん
)
に
答
(
こた
)
へることが
出來
(
でき
)
ませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
人の正義を
愛
(
あい
)
することは
丁度
(
ちょうど
)
鳥のうたわないでいられないと同じだ。セララバアド。お前は何か言いたいように見える。
云
(
い
)
ってごらん。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
現世
(
げんせ
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
なら
愛
(
あい
)
と
欲
(
よく
)
との
二筋
(
ふたすじ
)
で
結
(
むす
)
ばれるのも
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ぬが、一たん
肉体
(
にくたい
)
を
離
(
はな
)
れた
上
(
うえ
)
は、すっかり
欲
(
よく
)
からは
離
(
はな
)
れて
了
(
しま
)
わねばならぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
お
断
(
ことわ
)
りになる理由としてあの人の言われたのは——そう、こうです、——わたしはあの子を
愛
(
あい
)
している、あの子もわたしを愛している。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
もしも王子が、その
絵姿
(
えすがた
)
をひと目でも見れば、たちまちその王女へのはげしい
愛
(
あい
)
を心に感じて、気をうしなって、たおれてしまうだろう。
忠義者のヨハネス
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
女
(
おんな
)
にもしてみたいほどの
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
児
(
こ
)
で、
優
(
やさ
)
しい
眉
(
まゆ
)
、すこし
開
(
ひら
)
いた
脣
(
くちびる
)
、
短
(
みじか
)
いうぶ
毛
(
げ
)
のままの
髪
(
かみ
)
、
子供
(
こども
)
らしいおでこ——すべて
愛
(
あい
)
らしかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼
(
かれ
)
はかくも
神経質
(
しんけいしつ
)
で、その
議論
(
ぎろん
)
は
過激
(
かげき
)
であったが、
町
(
まち
)
の
人々
(
ひとびと
)
はそれにも
拘
(
かかわ
)
らず
彼
(
かれ
)
を
愛
(
あい
)
して、ワアニア、と
愛嬌
(
あいきょう
)
を
以
(
もっ
)
て
呼
(
よ
)
んでいた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
これで顔にむこうッ
疵
(
きず
)
でもあれば、うってつけの
服装
(
つくり
)
なんですが、それこそ、辻のお地蔵さんへあげるお饅頭みたいな、
愛
(
あい
)
くるしい顔だ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「まあ
御金持
(
おかねもち
)
ね。
私
(
わたし
)
も
一所
(
いつしよ
)
に
連
(
つ
)
れてつて
頂戴
(
ちやうだい
)
」と
云
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
愛
(
あい
)
すべき
細君
(
さいくん
)
のこの
冗談
(
じようだん
)
を
味
(
あぢは
)
ふ
餘裕
(
よゆう
)
を
有
(
も
)
たなかつた。
眞面目
(
まじめ
)
な
顏
(
かほ
)
をして
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それだのに
同
(
おな
)
じ
雪
(
ゆき
)
を
戴
(
いたゞ
)
いたこゝの
庇
(
ひさし
)
は、
彼女
(
かのぢよ
)
にその
冷
(
ひ
)
え
切
(
き
)
つた
心
(
こゝろ
)
を
温
(
あたゝ
)
められて、
今
(
いま
)
は
惜
(
を
)
しげもなく
愛
(
あい
)
の
雫
(
しづく
)
を
滴
(
したゝ
)
らしてゐるのだ。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
けれども、
冬
(
ふゆ
)
の
鳥打帽
(
とりうちばう
)
を
被
(
かむ
)
つた
久留米絣
(
くるめがすり
)
の
小僧
(
こぞう
)
の、
四顧
(
しこ
)
人影
(
ひとかげ
)
なき
日盛
(
ひざか
)
りを、
一人
(
ひとり
)
雲
(
くも
)
の
峰
(
みね
)
に
抗
(
かう
)
して
行
(
ゆ
)
く
其
(
そ
)
の
勇氣
(
ゆうき
)
は、
今
(
いま
)
も
愛
(
あい
)
する。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
愛
(
あい
)
する
所
(
ところ
)
((ノ人))を
論
(
ろん
)
ずれば
則
(
すなは
)
ち
以
(
もつ
)
て
(七五)
資
(
し
)
を
借
(
か
)
るとせられ、
其
(
そ
)
の
憎
(
にく
)
む
所
(
ところ
)
((ノ人))を
論
(
ろん
)
ずれば、
則
(
すなは
)
ち
以
(
もつ
)
て
己
(
おのれ
)
を
嘗
(
こころ
)
むとせらる。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
愛
(
あい
)
してだいじにするのか、運動の
習慣
(
しゅうかん
)
でだいじにするのか、いささか
分明
(
ぶんめい
)
を
欠
(
か
)
くのだが、とにかく牛をだいじにすることはひととおりでない。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
しき
夫人
(
おくがた
)
むかへ
給
(
たま
)
ひぬとも
愛
(
あい
)
らしき
兒
(
ちご
)
生
(
うま
)
れ
給
(
たま
)
ふとも
聞
(
き
)
く
身
(
み
)
のつらさが
思
(
おもは
)
るゝぞとてほろ/\と
打泣
(
うちな
)
けばお
八重
(
やへ
)
かなしく
身
(
み
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
父
(
ちゝ
)
と子の心と心とが
歔欷
(
きよき
)
の中にぴつたり抱き合ふ
瞬間
(
しゆんかん
)
の
作者
(
さくしや
)
の筆には、恐ろしい程
眞實
(
しんじつ
)
な
愛
(
あい
)
の
發露
(
はつろ
)
を
鋭
(
するど
)
く
描
(
ゑが
)
き出してゐるではありませんか。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
私
(
わたくし
)
は
端
(
はし
)
なくも、
昨夜
(
ゆふべ
)
ローマ
府
(
ふ
)
からの
滊車
(
きしや
)
の
中
(
なか
)
で
讀
(
よ
)
んだ『
小公子
(
リツトルロー、トフオントルローイ
)
』といふ
小説
(
せうせつ
)
中
(
ちう
)
の、あの
愛
(
あい
)
らしい/\
小主人公
(
せうしゆじんこう
)
を
聯想
(
れんさう
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
まだ
顏
(
かほ
)
は見えぬけれど着物の色
彩
(
さい
)
で少女と知れる
姿
(
すがた
)
が現はれると、自分の
愛
(
あい
)
人ではないかと思つて見たりするのである。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
児
(
こ
)
を
懐
(
ふところ
)
にいだき入んとするに
姑
(
しうとめ
)
旁
(
かたはら
)
よりよく
乳
(
ち
)
を
呑
(
のま
)
せていだきいれよ、
途
(
みち
)
にてはねんねがのみにくからんと
一言
(
ひとこと
)
の
詞
(
ことば
)
にも
孫
(
まご
)
を
愛
(
あい
)
する
情
(
こゝろ
)
ぞしられける。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
嗚呼
(
ああ
)
、先生
何
(
なん
)
ぞ予を
愛
(
あい
)
するの深くして
切
(
せつ
)
なるや。予何の
果報
(
かほう
)
ありて、かかる先生の
厚遇
(
こうぐう
)
を
辱
(
かたじけの
)
うして
老境
(
ろうきょう
)
を
慰
(
なぐさ
)
めたりや。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
ロミオ
予
(
わし
)
は
無禮
(
ぶれい
)
をした
覺
(
おぼ
)
えはない、いや、
其
(
その
)
仔細
(
しさい
)
の
分
(
わか
)
るまでは
迚
(
とて
)
も
會得
(
ゑとく
)
のゆかぬ
程
(
ほど
)
に
予
(
わし
)
は
足下
(
きみ
)
を
愛
(
あい
)
してゐるのぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
世界中
(
せかいじゅう
)
の
人々
(
ひとびと
)
がみなお
互
(
たがい
)
に
愛
(
あい
)
しあい、そして
力強
(
ちからづよ
)
く
生
(
い
)
きてゆくこと、それが
彼
(
かれ
)
の
理想
(
りそう
)
であり、そして
彼
(
かれ
)
はいつも
平和
(
へいわ
)
と
自由
(
じゆう
)
と
民衆
(
みんしゅう
)
との
味方
(
みかた
)
であります。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それはとりもなほさず
樹木
(
じゆもく
)
を
愛
(
あい
)
し、
引
(
ひ
)
いては
山
(
やま
)
をも
愛
(
あい
)
することになつて、
國家
(
こつか
)
の
安榮
(
あんえい
)
をつくることになるからです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
姉
(
あね
)
は
小柄
(
こがら
)
の、
美
(
うつく
)
しい
愛
(
あい
)
らしい
体
(
からだ
)
と
顔
(
かほ
)
の
持主
(
もちぬし
)
であつた。
嫻
(
みやび
)
やかな
落着
(
おちつ
)
いた
態度
(
たいど
)
や
言語
(
げんご
)
が、
地方
(
ちはう
)
の
物持
(
ものもち
)
の
深窓
(
しんそう
)
に
人
(
ひと
)
となつた
処女
(
しよぢよ
)
らしい
感
(
かん
)
じを、
竹村
(
たけむら
)
に
与
(
あた
)
へた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼
(
かれ
)
は
與吉
(
よきち
)
が
狹
(
せま
)
い
戸口
(
とぐち
)
に
立
(
た
)
つ
毎
(
ごと
)
に
心
(
こゝろ
)
から
迎
(
むか
)
へる
以前
(
いぜん
)
の
卯平
(
うへい
)
ではなくなつて
居
(
ゐ
)
た。それでも
彼
(
かれ
)
は
與吉
(
よきち
)
を
愛
(
あい
)
して
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
菊村宮内
(
きくむらくない
)
はおなじ日に、
卜斎
(
ぼくさい
)
と
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げ、花や
供物
(
くもつ
)
にかざられた
笈摺
(
おいずる
)
と、かがやく秋の
陽
(
ひ
)
を
背
(
せ
)
にして、きのうのごとく、
地蔵菩薩
(
じぞうぼさつ
)
の
愛
(
あい
)
の
旅
(
たび
)
にたっていった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下野
(
しもつけ
)
の国のある里の法師が、十二三歳の童児をちょう
愛
(
あい
)
していた
処
(
ところ
)
、その童児が
病
(
やまい
)
の
為
(
ため
)
に死んで
了
(
しま
)
ったので
百面相役者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
猫
(
ねこ
)
を
飼
(
か
)
ふことは
不道徳
(
ふだうとく
)
だと
觀念
(
かんねん
)
してゐる、だからこの
愛
(
あい
)
らしい
純情
(
じゆんぜう
)
なお
前
(
まへ
)
を
飼
(
か
)
つてやるわけには
行
(
ゆ
)
かない。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
〔譯〕
惻隱
(
そくいん
)
の心
偏
(
へん
)
すれば、民或は
愛
(
あい
)
に
溺
(
おぼ
)
れ身を
殞
(
おと
)
す者有り。
羞惡
(
しうを
)
の心偏すれば、民或は
溝涜
(
かうとく
)
に
自經
(
じけい
)
する者有り。
辭讓
(
じじやう
)
の心偏すれば、民或は
奔亡
(
ほんばう
)
風狂
(
ふうきやう
)
する者有り。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
表
(
おもて
)
の
入口
(
いりくち
)
には
焦茶地
(
こげちやぢ
)
へ
白抜
(
しろぬき
)
で「せじや」と
仮名
(
かな
)
で
顕
(
あらは
)
し
山形
(
やまがた
)
に口といふ字が
標
(
しるし
)
に
附
(
つい
)
て
居
(
を
)
る
処
(
ところ
)
は
主人
(
あるじ
)
の
働
(
はたらき
)
で、
世辞
(
せじ
)
を
商
(
あきな
)
ふのだから
主人
(
あるじ
)
も
莞爾
(
にこやか
)
な顔、
番頭
(
ばんとう
)
も
愛
(
あい
)
くるしく
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
罌粟
(
けし
)
の
花
(
はな
)
、
愛
(
あい
)
の疲の
眠
(
ねむり
)
、片田舍の廢園。
蓬生
(
よもぎふ
)
の
中
(
なか
)
に、ぐつすり
眠
(
ねむ
)
るまろ
寢姿
(
ねすがた
)
——靴の
音
(
おと
)
にも眼が醒めぬ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
子
(
こ
)
ども
達
(
たち
)
をおもひ
且
(
か
)
つ
愛
(
あい
)
することに
依
(
よつ
)
て、わたしはわたしの
此
(
こ
)
の
苦惱
(
くるしみ
)
にみちみてる
生涯
(
しやうがい
)
を
純
(
きよ
)
く、そして
美
(
うつく
)
しい
日々
(
ひゞ
)
として
過
(
すご
)
すでせう。これは
大
(
おほ
)
きな
感謝
(
かんしや
)
であります。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
彼等
(
かれら
)
は
天
(
てん
)
ぷらを
愛
(
あい
)
するやうに「しるこ」をも
必
(
かなら
)
ず——
愛
(
あい
)
するかどうかは
多少
(
たしよう
)
の
疑問
(
ぎもん
)
はあるにもせよ、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
一
應
(
おう
)
はすすめて
見
(
み
)
る
價値
(
かち
)
のあることだけは
確
(
たし
)
かであらう。
しるこ
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
... ただの
江戸
(
えど
)
つ
子
(
こ
)
であるよりも
生粹
(
きつすゐ
)
とつけた
方
(
はう
)
を
喜
(
よろこ
)
ぶらしい)それから、その——(
夫
(
をつと
)
といつていゝか、
燕
(
つばめ
)
?——
少
(
すこ
)
し、
禿
(
はげ
)
すぎてゐるが)
愛
(
あい
)
する
於莵吉
(
おときち
)
は十一も
齡下
(
としした
)
で
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
およそ
文章
(
ぶんしょう
)
では書きあらわせないような、まことに
愛
(
あい
)
すべき、一
種
(
しゅ
)
特別
(
とくべつ
)
な想像力をもっていたのだ。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
如何
(
いか
)
樣にも致し
無者
(
なきもの
)
にして我が子
佐
(
すけ
)
五郎に
家督
(
かとく
)
を
讓
(
ゆづ
)
り度思ふにより力を
添
(
そへ
)
呉
(
くれ
)
る樣にとの
頼
(
たの
)
みに付我が子の
愛
(
あい
)
に
迷
(
まよ
)
ふは凡夫の
常
(
つね
)
とは申ながら
扨
(
さて
)
は斯る巧みの有故に私し儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
儂が村の人になり切れぬのは事実である。然し儂が少しも村を
愛
(
あい
)
しないと云うのは
嘘
(
うそ
)
である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それ
我
(
わ
)
が
来
(
きた
)
れるは
人
(
ひと
)
をその
父
(
ちち
)
より、
娘
(
むすめ
)
をその
母
(
はは
)
より、
嫁
(
よめ
)
をその
姑嫜
(
しゅうとめ
)
より
分
(
わか
)
たん
為
(
ため
)
なり。
人
(
ひと
)
の
仇
(
あだ
)
は、その
家
(
いえ
)
の
者
(
もの
)
なるべし。
我
(
われ
)
よりも
父
(
ちち
)
または
母
(
はは
)
を
愛
(
あい
)
する
者
(
もの
)
は、
我
(
われ
)
に
相応
(
ふさわ
)
しからず。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
カラスたちは、スモーランドの上を
南西
(
なんせい
)
にむかって飛びつづけました。うららかに
晴
(
は
)
れわたった、あたたかい朝でした。地上の鳥たちは、やさしい
愛
(
あい
)
の
歌
(
うた
)
をうたっていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
が
玄竹
(
げんちく
)
を
愛
(
あい
)
したのは、
玄竹
(
げんちく
)
が
岡部美濃守
(
をかべみののかみ
)
の
頓死
(
とんし
)
を
披露
(
ひろう
)
するに
最
(
もつと
)
も
必要
(
ひつえう
)
な
診斷書
(
しんだんしよ
)
を、
何
(
なん
)
の
求
(
もと
)
むるところもなく、
淡白
(
たんぱく
)
に
書
(
か
)
き
與
(
あた
)
へたといふ
心
(
こゝろ
)
の
潔白
(
けつぱく
)
を
知
(
し
)
つたのが
第
(
だい
)
一の
原因
(
げんいん
)
である。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
同月
(
どうげつ
)
十七
日
(
にち
)
、いよ/\
發掘
(
はつくつ
)
に
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
としたが
家人
(
かじん
)
も
其状態
(
そのじやうたい
)
が
見
(
み
)
たいといふので、
然
(
さ
)
らば
其用意
(
そのえうい
)
して
行
(
ゆ
)
くべしとて、
妻
(
さい
)
と
婢
(
ひ
)
とに
糧食
(
れうしよく
)
を
携
(
たづさ
)
へさせ、
余
(
よ
)
は
愛
(
あい
)
する
親族
(
しんぞく
)
の六
歳
(
さい
)
の
幼女
(
えうぢよ
)
を
背
(
せ
)
に
負
(
お
)
ひ
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
愛
(
あい
)
するお
前
(
まへ
)
の
父
(
ちゝ
)
、お
前
(
まへ
)
の
母
(
はゝ
)
、お
前
(
まへ
)
の
妻
(
つま
)
、お
前
(
まへ
)
の
子
(
こ
)
、そして
多
(
おほ
)
くのお
前
(
まへ
)
の
兄妹
(
きやうだい
)
たちが、
土地
(
とち
)
を
逐
(
お
)
はれ
職場
(
しょくば
)
を
拒
(
こば
)
まれ、
飢
(
う
)
えにやつれ、
歯
(
は
)
を
喰
(
く
)
い
縛
(
しば
)
り、
拳
(
こぶし
)
を
握
(
にぎ
)
って、
遠
(
とほ
)
く
北
(
きた
)
の
空
(
そら
)
に
投
(
な
)
げる
憎
(
にく
)
しみの
眼
(
め
)
は
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
其
質朴
(
しつぼく
)
愛
(
あい
)
するに堪へたり、余炉辺に
坐
(
ざ
)
し一客に
問
(
と
)
ふて曰く、是より山奥に
至
(
いた
)
らば
栗樹
(
くり
)
ありや否、余等一行
若
(
も
)
し
探検
(
たんけん
)
の
中途
(
ちうと
)
にして
飢餓
(
きが
)
に
陥
(
おちゐ
)
ることあらん乎、栗等の
果実
(
くわじつ
)
に
拠
(
よ
)
りて
餓死
(
がし
)
を
免
(
のが
)
れんとすと
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
愛
(
あい
)
する
花子
(
アナコ
)
。貴女はわしの意中を理解されたようだ。このバルザック像であるが、わしはわしの生命の影が欲しいのだ。
小さい花子
(
プチト・アナコ
)
。わしは貴女を愛する。貴女によって、わしはわしの生命の影を
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
また
玉
(
たま
)
を
體
(
からだ
)
につけて
飾
(
かざ
)
る
風習
(
ふうしゆう
)
は、
世界
(
せかい
)
いづれの
國
(
くに
)
にもありますが、
日本
(
につぽん
)
は
支那
(
しな
)
などに
比
(
くら
)
べて、よけいに
玉
(
たま
)
を
愛
(
あい
)
したと
見
(
み
)
えて、
支那
(
しな
)
の
墓
(
はか
)
からはそれほどたくさんの
玉
(
たま
)
が
發見
(
はつけん
)
せられることはありません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
見
(
み
)
よ
飮酒
(
いんしゆ
)
は
彼
(
かの
)
非職官吏
(
ひしよくくわんり
)
を
殺
(
ころ
)
しつゝあるにあらずや
非職官吏
(
ひしよくくわんり
)
の
放蕩懶惰
(
はうとうらんだ
)
は
其
(
その
)
愛
(
あい
)
らしき
妻
(
つま
)
を
殺
(
ころ
)
しつゝあるにあらずや
其
(
その
)
無邪氣
(
むじやき
)
の
娘
(
むすめ
)
を
殺
(
ころ
)
しつゝあるにあらずや、婬賣と名け肺病と名け、※慢と名つくるもの
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
この燃え立って取り巻くのは、
愛
(
あい
)
か、
憎
(
にくみ
)
か。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
努力
(
ぬりき
)
、
若
(
わか
)
やぎ、また
愛
(
あい
)
の
華座
(
けざ
)
はここに。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
ああただ
秘
(
ひ
)
めよ、
御
(
み
)
くるすの
愛
(
あい
)
の
徴
(
しるし
)
を。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“愛”の解説
愛(あい、en: love、fr: amour)について解説する。
(出典:Wikipedia)
愛
常用漢字
小4
部首:⼼
13画
“愛”を含む語句
可愛
愛情
愛敬
慈愛
愛惜
愛嬌
愛着
最愛
情愛
愛人
寵愛
愛妾
可愛想
愛子
愛想尽
鍾愛
愛憎
愛玩
無愛想
恋愛
...