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愛
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かな
ふりがな文庫
“
愛
(
かな
)” の例文
孤独な国の、一人々々は、釘づけになつてゐるやうなものだと考へる。如何なる戦争も、やぶれてこそ、
愛
(
かな
)
しく哀れでもあると思へた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
水仙と寒菊の影、現なく
映
(
うつ
)
らふ観れば現なし、
寂
(
さび
)
しかりけり。近々と啼き翔る鵯、遠々とひびく浪の
音
(
と
)
。誰か世を常なしと云ふ、久しとも
愛
(
かな
)
しとも
思
(
も
)
へ。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その上、若さも言いようのないものであるのに、どれも
愛
(
かな
)
しく、二人ともそのまま心にしまって置きたかった。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
愛
(
かな
)
しき足跡と見ないものは仕方もないが、苟しくもそれを人間生活史の一部として見る時、各自はいづれも其各々の一頁を、要求しうる権利を持つものである。
「私」小説と「心境」小説
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
「昨日こそ年は
極
(
は
)
てしか春霞春日の山にはや立ちにけり」(巻十・一八四三)、「筑波根に雪かも降らる否をかも
愛
(
かな
)
しき児ろが
布
(
にぬ
)
ほさるかも」(巻十四・三三五一)。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
けれど正成の
患
(
わずら
)
いは、人以上に世が
愛
(
かな
)
しまれ世の行方や人心が
観
(
み
)
えるところにあった。智恵学問から持っていたものでなく、天性の彼の感受性といってよい。——たとえばである。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白翼の鳥となって永遠の空に
愛
(
かな
)
しくもなつかしい鳴声を断たぬであろう。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
今日はわたしは皆に別れて独り千曲川の上流へと歩み入るべき日であつたが、「わが若草の妻し
愛
(
かな
)
し」とばかり言ひ張つてゐる重田君の宅を布施村に訪うてそのわか草の新妻の君を見る事になつた。
木枯紀行
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
いとけなきわれをすずろに
愛
(
かな
)
しみしおほちちのとしいまこえむとす
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
しのびこしその
愛
(
かな
)
しきを
外
(
と
)
に立てていを寝んものか母は知るとも
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
身に淋しきことのあるいま
掌
(
て
)
にのりて啼く文鳥の啼くを
愛
(
かな
)
しむ
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
鳰鳥
(
におどり
)
の葛飾
早稲
(
わせ
)
を
贄
(
にえ
)
すとも、
彼
(
その
)
愛
(
かな
)
しきを、
外
(
ト
)
に立てめやも
最古日本の女性生活の根柢
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
愛
(
かな
)
しけく ここに思ひ
出
(
で
)
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
水仙と寒菊の影、現なく
映
(
うつ
)
らふ観れば、現なし、
寂
(
さび
)
しかりけり。
近々
(
ちかぢか
)
と啼き翔る鵯、
遠々
(
とほどほ
)
とひびく浪の
音
(
と
)
。誰か世を常なしと云ふ、久しとも
愛
(
かな
)
しとも
思
(
も
)
へ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
美しい東京の街も、この數ヶ月の激しい變化で根こそぎ變つてしまひ、あの見果てぬ夢のやうな、
愛
(
かな
)
しい都會のいとなみが、もう何も彼もみぢんにくだかれてしまつた。
なぐさめ
(旧字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
「
垣越
(
くへご
)
しに麦
食
(
は
)
む
小馬
(
こうま
)
のはつはつに相見し児らしあやに
愛
(
かな
)
しも」(同・三五三七)等の例がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
筑波
嶺
(
ね
)
に、雪かも降らる、
否諾
(
いなを
)
かも、
愛
(
かな
)
しき児等が、
布乾
(
にぬほ
)
さるかも
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そそらるる絵心
愛
(
かな
)
し
金網
(
あみ
)
洩るる陽がフリージャの花にさしきて
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
こういう
愛
(
かな
)
しい時に誰の智恵をかりたらいいものだろうか。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
み眼清く
切
(
きれ
)
長くます。やさしきは
夫
(
つま
)
にのみかは、その子らに、その子の子らに、なべて
愛
(
かな
)
しく
白髮
(
しらが
)
づく母。
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
然るに、巻十四、
東歌
(
あずまうた
)
の挽歌の個処に、「
愛
(
かな
)
し妹を
何処
(
いづち
)
行かめと
山菅
(
やますげ
)
の
背向
(
そがひ
)
に
宿
(
ね
)
しく今し悔しも」(三五七七)というのがあり、二つ共似ているが、巻七の方が優っている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
かつて知らなかった男の
杳々
(
ようよう
)
とした思いが、どんなに私を
涙
(
なみだ
)
っぽく
愛
(
かな
)
しくした事であろう。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
つつましさ見るに
愛
(
かな
)
しくりんだうの君が差入れ好しと見て更く
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
遠稲妻
(
とほいなづま
)
そらのいづこぞうちひそみこの
夜桜
(
よざくら
)
のもだし
愛
(
かな
)
しも
桜
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
み眼清く
切
(
きれ
)
長くます。やさしきは
夫
(
つま
)
にのみかは、その子らに、その子の子らに、なべて
愛
(
かな
)
しく
白髪
(
しらが
)
づく母。
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
杉の樹に紅きあぶらの
滲
(
し
)
みづるををさなごの時のごとく
愛
(
かな
)
しむ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ひともとの桜の
幹
(
みき
)
につながれし
若駒
(
わかごま
)
の
瞳
(
め
)
のうるめる
愛
(
かな
)
し
桜
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
しろがねの恩賜の時計、
畏
(
かしこ
)
むやその子秘めにき。秒
隔
(
お
)
かず死ぬまで
愛
(
め
)
でぬ。子が死にて
愛
(
かな
)
しき時計、形見よと、父は
後愛
(
あとめ
)
で、命よと、いとほしと、日も夜も持ちき。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ひとを
愛
(
かな
)
しとおもふ心のきはまりて吾に
言
(
こと
)
つげし友をぞおもふ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
榧
(
かや
)
の木にかやの実の
生
(
な
)
り、榧の実は
熟
(
う
)
れてこぼれぬ。こぼれたる拾ひて見れば、露じもに凍てし榧の実、
尖
(
とが
)
り実の
愛
(
かな
)
し
銃弾
(
つつだま
)
、みどり児が
頭
(
つむり
)
にも似つ、わが抱ける子の。
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
わが家の狭き
中庭
(
なかには
)
を照らしつつかげり行く光を
愛
(
かな
)
しみにけり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ちよろろと光る水あり草深に田をめぐり来て月の夜
愛
(
かな
)
し (旱天にて田は植ゑずじまひになりぬ)
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ちよろろと光る水あり草深に田をめぐり來て月の夜
愛
(
かな
)
し旱天にて田は植ゑずじまひになりぬ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
揺れやすき母の寝息の耳につきて
背
(
そが
)
ひには向けど
愛
(
かな
)
し我が母よ (拾遺)
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
愛
(
かな
)
しけく親と子とゐて執る箸の朝の
餉
(
け
)
にすら笑ふすべなし (拾遺)
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
涙共に下るこの声この子らぞ
愛
(
かな
)
しとは
思
(
も
)
へ亦聴き難し (学生委員)
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
雪しろき山畑は
愛
(
かな
)
し
雑木
(
ざうき
)
のさきちよぼちよぼと出てその実垂れたり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
地にころげここだ
下凍
(
したし
)
むかやの実はかきさがすまも
愛
(
かな
)
しかりけり
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この日ごろ野山にまじり人にまじり遊びほれてゐるそれが
愛
(
かな
)
しも
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ねんねんに絵馬師が描ける
愛
(
かな
)
し馬一つとしておなじ顔は無しもよ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
おなじ作業ただに繰り返すのみなるを
愛
(
かな
)
し機械や倦みもせなくに
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そことなき春の蚊にすら聴くものは
愛
(
かな
)
しかりけり若葉たをやぐ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ようをどるおのれ
愛
(
かな
)
しも笛つづみあやに囃せばいよいよ愛しも
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ああ
発電機
(
ダイナモ
)
おほどかなれどおのづから澄みて
愛
(
かな
)
しき声放つなり
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さすらへば命に換ふるなにものも売りつくしけりその
愛
(
かな
)
しきを
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
聲呼ばふ墓地のかかりの
夕餉
(
ゆふげ
)
どき遊びあかねば子らは
愛
(
かな
)
しも
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
声呼ばふ墓地のかかりの
夕餉
(
ゆふげ
)
どき遊びあかねば子らは
愛
(
かな
)
しも
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
闇いとど
春夜
(
しゆんや
)
は
愛
(
かな
)
しこの道のにほふかぎりを聞きて行くがね
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あな
愛
(
かな
)
しここは
日本
(
やまと
)
の青ヶ島つくづくと聴けば雀子がこゑ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
高山の雪に火縄の火の
消
(
け
)
なと
拝
(
をが
)
み
希
(
こ
)
ひのるは
愛
(
かな
)
し
妻
(
つま
)
ばかり
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“愛”の解説
愛(あい、en: love、fr: amour)について解説する。
(出典:Wikipedia)
愛
常用漢字
小4
部首:⼼
13画
“愛”を含む語句
可愛
愛情
愛敬
慈愛
愛惜
愛嬌
愛着
最愛
情愛
愛人
寵愛
愛妾
可愛想
愛子
愛想尽
鍾愛
愛憎
愛玩
無愛想
恋愛
...