をし)” の例文
一箇人いつこじんとして己の為に身ををしみたまへと謂ふのではなく、国家の為に自重し給へと願ふのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
びつつも心を貫かんとにはあらず、由無き縁を組まんとしたるよと思ひつつも、ひて今更いなまんとするにもあらず、彼方かなたこひしきを思ひ、こなたの富めるををしみ、自ら決するところ無く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
君の親友であつた間貫一は既に亡き者に成つたのだ、とさう想つてくれ給へ。であるから、これは間が言ふのではない。君の親友の或者が君の身ををしんで忠告するのだとして聴いてくれ給へ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)