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愛
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いつく
ふりがな文庫
“
愛
(
いつく
)” の例文
そこで毎日、その親たちをよろこばせ、その
愛
(
いつく
)
しみをうけているいい子をみつけるたんびに、そのためしのときがみじかくなります。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
死ぬであろう戦場へおもむくのも、じつは命を
愛
(
いつく
)
しむわが命がさせていると、この心のあやしさ、正成もまた
観
(
み
)
きわめておる。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
イエスは富める真面目な青年に
愛
(
いつく
)
しみの目をそそぎ給うたごとく、これらの貧しき素朴なる青年弟子にも愛しみの目を
注
(
と
)
めて
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
万作夫婦は日々に生いたつお光に慰められて、蝶花と
愛
(
いつく
)
しみながら、「妙な子だのう」「妙な子だよ」斯く語り合った。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
『
日本
(
にっぽん
)
一の
日
(
ひ
)
の
御子
(
みこ
)
から
又
(
また
)
なきものに
愛
(
いつく
)
しまれる……。』そう
思
(
おも
)
う
時
(
とき
)
に、
姫
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
からは一
切
(
さい
)
の
不満
(
ふまん
)
、一
切
(
さい
)
の
苦労
(
くろう
)
が
煙
(
けむり
)
のように
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
うのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
雲より声を出して「これはわが
愛
(
いつく
)
しむ子なり、汝らこれに聴け」と命じた神、その神が「死人の復活により大能をもて神の子と定め」たイエス・キリスト
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
彼は鳥獣を
愛
(
いつく
)
しみ
鰐魚
(
わに
)
をさえも
手
(
て
)
なずけた。彼には鳥獣の啼き声やあるいはその眼の働きやもしくは肢体の
蜒
(
うね
)
らし方によってその感情を知ることが出来た。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これは姉が須永に対する義理からでもあろうが、一つは自分に子のできないのを苦にしていた矢先だから、本気に吾子として
愛
(
いつく
)
しむ考も無論手伝ったに違ない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
惟
(
おも
)
うに、私等親子の
愛
(
いつく
)
しみを受けて、曾て痛い目に
遭
(
あ
)
った事なく、
暢気
(
のんき
)
に安泰に育ったから、それで
此様
(
こんな
)
に無邪気であったのだろうが、ああ、想出しても無念でならぬ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
特にこの世界の美を
愛
(
いつく
)
しむ心が惠まれてゐる故に、そしてこの世界の美といふものは、ものによつて一番幼い子供にもたやすく、感受出來るものである故に、そのあどけない
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
今は
小子
(
それがし
)
が胸には横笛がつれなき心も殘らず、月日と共に積りし哀れも宿さず、人の恨みも我が
愛
(
いつく
)
しみも洗ひし如く痕なけれども、殘るは只〻此世の無常にして頼み少きこと
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
孤子也
(
みなしごなり
)
とて
愛
(
いつく
)
しみ
味
(
うま
)
き食物
等
(
など
)
の有ば常に殘し置て
遣
(
つか
)
はしなどしける此日師匠の用事にて來りける
折
(
をり
)
から冬の事にて婆は
圍爐裡
(
ゐろり
)
に
煖
(
あた
)
りゐけるが寶澤の來るを見て有あふ菓子などを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
胸さわぎするほかは
烟草
(
たばこ
)
ばかりが
愛
(
いつく
)
しまれ、二十分ほど経った所で、椀の物を載せた膳と杯洗とを婢が持来り、酒盃を受けて下に置く時皿の物が来て、膳の体裁はやゝ整ったが
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
一 女子は我家に有てはわが父母に専ら孝を行ふ
理
(
ことわり
)
也。されども夫の家にゆきては専ら
嫜
(
しゅうとしゅうとめ
)
を我親よりも重んじて厚く
愛
(
いつく
)
しみ敬ひ孝行を
尽
(
つくす
)
べし。親の
方
(
かた
)
を重んじ舅の方を軽ずる事なかれ。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
あの「ぢやぼ」(悪魔)をも
挫
(
ひし
)
がうず大男が、娘に子が産まれるや否や、暇ある毎に傘張の翁を訪れて、無骨な腕に幼子を抱き上げては、にがにがしげな顔に涙を浮べて、弟と
愛
(
いつく
)
しんだ
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
依然として彼を待ち彼を
愛
(
いつく
)
しみ、相も変わらず彼に望みをつないで、神のためには苦しみかつ死ぬべくあこがれていたのだ、……こうして幾世紀も、幾世紀も人類が信仰と熱情をもって
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
太陽の
愛
(
いつく
)
しむもの
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
姫はまだ十七、深窓の
愛
(
いつく
)
しみにくるまれていたが、佳麗な容姿はかくれもなく、つねづね若公卿ばらの野心のまとであった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただちに雲が起こり来たってイエスをつつみ、雲の中から「これはわが
愛
(
いつく
)
しむ子なり、汝らこれに聴け」との
厳
(
おごそ
)
かな神の御声がペテロたちの耳を打ちました。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
愛
(
いつく
)
しむ事生の親にも
勝
(
まさ
)
りて
彼是
(
かれこれ
)
と
執成
(
とりなし
)
けるを主税之助夫婦は甚く憎み我子の爲に
邪魔
(
じやま
)
成
(
なら
)
んと終に
咎
(
とが
)
なきお安を牛込神樂坂水茶屋兄吉兵衞の方へ歸しけり
斯
(
かく
)
先代よりの家來に暇を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
或は尊み
敬
(
うやま
)
えと教うれば、舅姑は
固
(
もと
)
より尊属目上の人なり、嫁の身として比教に従う可きは当然なれども、扨親しみ
愛
(
いつく
)
しむの一段に至りては、舅姑を先にして父母を後にせんとするも
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
汝の
愛
(
いつく
)
しむもの
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「生れては、北条家の
姫様
(
ひいさま
)
として、
珠
(
たま
)
のように
愛
(
いつく
)
しまれ、嫁いでは武田四郎勝頼様の御簾中とも仰がれた御身が……」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神の
愛
(
いつく
)
しみ給う子たる自覚をもって世に遣わされた者が、十字架の上に恥辱の死を遂げるということは矛盾ではないか。これがキリストたる者の生涯であろうか。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
一
期
(
ご
)
として
病死
(
びやうし
)
しけるにより主税之助は養父の頼の通り兄弟の内に
家督
(
かとく
)
繼
(
つが
)
せんと我が子の如く
愛
(
いつく
)
しみ
育
(
そだて
)
しが其中に主税之助も實子を儲け名を
佐
(
すけ
)
五郎と呼び
寵愛
(
ちようあい
)
淺
(
あさ
)
からず何時しか先代平助の
遺言
(
ゆゐごん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
母者人
(
ははじゃびと
)
にも、ようようお年、この後は正行をお
愛
(
いつく
)
しみ下されたように、御自身のおからだを御いたわりくださいまし
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
またほかの者を遣わしたのに、これを殺した。またほかの多くの僕をも、あるいは打ちあるいは殺した。なお遣わすべき者が一人だけ残っていた。これはその
愛
(
いつく
)
しむ子である。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
のごとき
愛
(
いつく
)
しみと守りをささげられながら、ことし早や十一となっていたのであった。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女は決して美人ではないが、さすがに
深窓
(
しんそう
)
で
愛
(
いつく
)
しまれた
肌目
(
きめ
)
ではあった。それに初産の後のせいか
透
(
す
)
き
徹
(
とお
)
るような白い顔と指の先をしている。その手をひどく
几帳面
(
きちょうめん
)
に膝へかさねて
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これより
出立
(
いでた
)
ちまする。父君の御遺訓、母うえが日常の御
庭訓
(
ていきん
)
、
御旗
(
みはた
)
に生かして
翻
(
ひるがえ
)
す日は今です。ふたたび、お膝の許に、正行が身、生きては還りますまい。長いお
愛
(
いつく
)
しみ、死してもわすれませぬ。
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんな
愛
(
いつく
)
しみを持って、今、この時、思い遣ることはできなかった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「みかどの、お
愛
(
いつく
)
しみさえ、いまのようならば」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“愛”の解説
愛(あい、en: love、fr: amour)について解説する。
(出典:Wikipedia)
愛
常用漢字
小4
部首:⼼
13画
“愛”を含む語句
可愛
愛情
愛敬
慈愛
愛惜
愛嬌
愛着
最愛
情愛
愛人
寵愛
愛妾
可愛想
愛子
愛想尽
鍾愛
愛憎
愛玩
無愛想
恋愛
...