“つえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
93.3%
4.2%
0.4%
0.4%
津江0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若君のお刀は伝家の宝刀、ひとの手にふれさせていいしなではありませぬ。また、拙者せっしゃつえ護仏ごぶつ法杖ほうじょうおいのなかは三尊さんぞん弥陀みだです。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おえねえ頓痴奇とんちきだ、坊主ぼうずけえりの田舎漢いなかものの癖に相場そうば天賽てんさいも気がつええ、あれでもやっぱり取られるつもりじゃあねえうち可笑おかしい。ハハハ、いいごうざらしだ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
灰が眼に這入はえって、是アおいないと騒ぐ所へ按摩取が一人で二人の泥坊を押えて、到頭町の奉行所へ突出つきだしたと云うのだが、何とつえい按摩取じゃアないか、是でおめえ旦那も助かり、忰も助かったゞ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
麻多智またち大いに怒りのこころを起し云々、せ逐いてすなわち山口に至り、つえ(杭)を標して堺の堀に置き夜刀神に告げていわく、これより以上は神の地たることをゆる
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
愛知県ではクエはまったくなく、ガケは折々ありまたトエという地名が大分ある。西国の津江つえと同じ語がここまで来ているので、これから東へ行くと聴くことが少ないようである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
世人がもしもこの如き花を賞せんとならば、天霽れし日、須らく湘南国府津西方の一駅、下曾我に下車しつえを曳いて徐ろに圃間を逍遥すべきダ。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と、その時案内の車夫は、橋の欄干らんかんから川上の方をゆびさして、旅客のつえをとどめさせる。かつて私の母も橋の中央にくるまを止めて、頑是がんぜない私をひざの上にきながら
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
中原ちゅうげん、また鹿をうて、筆を投げすてて戎軒じゅうけんを事とす。縦横のはかりごとらざれども、慷慨こうがいの志はお存せり。つえいて天子にえっし、馬を駆って関門をず。
(新字新仮名) / 富田常雄(著)