たっ)” の例文
煙管でもってったり叩いたりして辛くって堪らないから、何卒どうぞ親方半治さんの胸を聞いて、たって半治さんがいやと云うなら私は海へでも飛込んで死にますから
たって何か話が無いかとお尋ねならば、仕方がありません、わたくしが少時の間——左様です、十六七の頃に通学した事のある漢学や数学の私塾の有様や、其の頃の雑事や
学生時代 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お前さんが自害をしようと云うのをたって助け、斯うやって連れて来ても、矢張やっぱり海へ飛込むの咽喉のどを突くのと云って見れば、それを見捨てゝ帰る訳にもいきません
お前の留守中いもとのお藤をたって貰いたいという其の人は、もと金森家の重役粥河圖書という人で、近頃竹ヶ崎へ田地や山を買い、有福ゆうふくの人で、奥様が此の間お死去かくれ
此処こゝに伯父が住職して居るから金まで盗んで高飛たかとびし、頭をそっこかして改心するから弟子にしてと云うて、成らぬと云うをたって頼み、斯うって今では住職になって
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お前は本当にひどい人だのう、私のたった一人の娘をたってくれと云うので、お前は業平橋の文治郎と云う奴を頼んで掛合いに来た其の時、私はることは出来ねえと云ったら
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
親父が死ぬと彼方此方あっちこっちで世話をする者があると死んだ親父に済まないから旦那なんぞを取るのは厭だと云うねえ、それをたって勧めるから旦那を取るけれども若いい男は取らないねえ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)