“請地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うけじ66.7%
うけち33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
早急の場合仮に越して来た請地うけじでは店も張れず、どこか商いの利くところに一軒、権利を買わせるのにも相当の金が必要だった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その父武次郎は、代々請地うけじに住んでいて、上野輪王寺宮に仕えていた寺侍であったが、維新後は隠居をし、長男虎間太郎こまたろうを当時江戸派の彫金師として羽ぶりのよかった尾崎一美かずよしに入門せしめた。
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
独言ひとりごとを云いながら金包を手拭にくるんで腹掛のどんぶりに押込み、腕組をして、女と一緒だからまだ其様そんなに遠くは行くまい、田圃径たんぼみちから請地うけち堤伝どてづたいに先へ出越せば逢えるだろう
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……夕風に吹かれながら、こんなところであなたと魚づくしをやる気はねえのだから、さめなと海坊主うみぼうずなとお好きなものをお釣りなせえ。両国の請地うけちへ見世物に出すなら後見こうけんぐらいはいたします
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち (新字新仮名) / 久生十蘭(著)