落日いりひ)” の例文
胸のくるしさ空地あきち落日いりひあかあかとただかがやけり胸のくるしさ
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここに来て落日いりひを見るをつねとせり海の落日いりひも忘れざるべし
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
青のうぐひす落日いりひますとの森で鳴くやうに……
北原白秋氏の肖像 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
魚市場落日いりひあかきに手品師は鍔までもりゆうとたうを呑みつも
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
燃えあがる落日いりひけやきあちこちにてんを焦がすこそ苦しかりけれ
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
城ヶ島の燈明台にぶん廻す落日いりひ避雷針にかれけるかも
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ライ麦の畑といはず崖といはず落日いりひいつぱいにしたたる赤さ
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
興安嶺くだりつくして野は曠し赤き落日いりひに汽車はま向ふ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
なにか見る、夕栄ゆふばえのひとみぎりむせ落日いりひ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
濁りたる看板かんばんを、入り残る窓の落日いりひを。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
雲照らふ落日いりひあけに水の絵のあやも乱れて
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うらがなし、落日いりひ黄金こがね
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
春あさい大きな落日いりひ
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)