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夕闇
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ゆふやみ
ふりがな文庫
“
夕闇
(
ゆふやみ
)” の例文
良寛さんが、長崎の街と湾を見おろす丘の上まで、
辿
(
たど
)
りついたときには、空に
僅
(
わづ
)
かに夕映が残つてゐて、海には黒く
夕闇
(
ゆふやみ
)
がしみこんで来る時分であつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
海から二人の間に
逼
(
せま
)
つて来る
夕闇
(
ゆふやみ
)
の関係もあつて、わたしは妙に自分と娘との間隔を感じる。自分の生活と娘の生活とが別々に平行して居ることを感じる。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
夕闇
(
ゆふやみ
)
は
路
(
みち
)
たづたづし
月
(
つき
)
待
(
ま
)
ちて
行
(
ゆ
)
かせ
吾背子
(
わがせこ
)
その
間
(
ま
)
にも
見
(
み
)
む 〔巻四・七〇九〕 大宅女
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
日が暮れても街燈は完全につかず、
夕闇
(
ゆふやみ
)
の中をジープがイタチのやうにすばしこく
掠
(
かす
)
めて過ぎる外は人影もまれだつた。たまにお葬式の
万燈
(
まんどう
)
のやうに電車がのろのろ通る姿のわびしさ——。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
言ひ捨てゝ
夕闇
(
ゆふやみ
)
の中へ、平次の姿はさツと消え込んで了ひました。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
其時代助の脳の活動は、
夕闇
(
ゆふやみ
)
を驚ろかす
蝙蝠
(
かはほり
)
の様な幻像をちらり/\と
産
(
う
)
み
出
(
だ
)
すに
過
(
す
)
ぎなかつた。其
羽搏
(
はばたき
)
の
光
(
ひかり
)
を
追
(
お
)
ひ
掛
(
か
)
けて
寐
(
ね
)
てゐるうちに、
頭
(
あたま
)
が
床
(
ゆか
)
から
浮
(
う
)
き
上
(
あ
)
がつて、ふわ/\する様に思はれて
来
(
き
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
けけと啼く
夕闇
(
ゆふやみ
)
蛙
(
かはづ
)
家垣の檜葉のしづくか食らふなるべし
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ほの黄色い
夕闇
(
ゆふやみ
)
のなかをまひあがるのだ。
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
夕闇
(
ゆふやみ
)
かけてたゝずめば
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
良寛さんは、もう
夕闇
(
ゆふやみ
)
で黒く見える菫の花を見ながら考へた。けれど、はつきりとは解らなかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
夕闇
(
ゆふやみ
)
が降りて来た。私は
浴衣
(
ゆかた
)
がけでその中庭へ向いた
籐椅子
(
とういす
)
に
倚
(
よ
)
りかゝりながら、大元帥府、外交部、日本公使館、清華大学政治科と、塩崎を相手に早速プログラムを立ててゐたが、その時であつた。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
けけと啼く
夕闇
(
ゆふやみ
)
蛙
(
かはづ
)
家垣の檜葉のしづくか食らふなるべし
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夕闇
(
ゆふやみ
)
かけてたゝずめば
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
良寛さんは
下唇
(
したくちびる
)
をかんだまま、黙つて庭へおりて、
夕闇
(
ゆふやみ
)
の中を門の方へ歩いていつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
いま寒き
夕闇
(
ゆふやみ
)
のそこ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夕
常用漢字
小1
部首:⼣
3画
闇
常用漢字
中学
部首:⾨
17画
“夕”で始まる語句
夕
夕餉
夕飯
夕陽
夕方
夕靄
夕日
夕暮
夕焼
夕映