水底みづそこ)” の例文
しばらくして、大手筋おほてすぢを、去年きよねん一昨年おととしのまゝらしい、枯蘆かれあしなかつたときは、ぞく水底みづそこんでとほるとふ、どつしりしたものにえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
坂を下り尽すとまた渓川たにがはがあつた。川の縁には若樹のうるしが五六本立つてゐて、目も覚める程に熟しきつた色の葉の影が、黄金の牛でも沈んでゐるやうに水底みづそこに映つてゐた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なにがつて、あんたにや水潜みづもぐりはできめえ。ほしくにはね。いけ水底みづそこにあるんですぜ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
水底みづそこの魚のいのちは食慾の
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
水底みづそこ缺擂鉢かけすりばち塵芥ちりあくた襤褸切ぼろぎれくぎをれなどは不殘のこらずかたちして、あをしほ滿々まん/\たゝへた溜池ためいけ小波さゝなみうへなるいへは、掃除さうぢをするでもなしにうつくしい。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)