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水底
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みなぞこ
ふりがな文庫
“
水底
(
みなぞこ
)” の例文
暗き
水底
(
みなぞこ
)
深くにあって、今、悲しくも彼女の甘き愛撫を思い、彼女の名を呼ぼうとしてもがいてその小さな
生命
(
いのち
)
を絞り尽している
しめしあわせ
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
本當に、「水は我が魂を
浸
(
ひた
)
し、我は深き海に沈みぬ。立つべき足場もなく、我は
水底
(
みなぞこ
)
に到り、洪水は我を溺らしめぬ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
柳の間をもれる日の光が
金色
(
こんじき
)
の線を水の
中
(
うち
)
に射て、澄み渡った
水底
(
みなぞこ
)
の
小砂利
(
じゃり
)
が銀のように
碧玉
(
たま
)
のように沈んでいる。
河霧
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
水底
(
みなぞこ
)
に
水漬
(
みづ
)
く白玉となつた郎女の身は、やがて又
一幹
(
ひともと
)
の白い珊瑚の
樹
(
き
)
である。脚を根とし、手を枝とした水底の木。頭に生ひ靡くのは、もう髪ではなく、藻であつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
裳
(
もすそ
)
を
開
(
ひら
)
いて、
悶
(
もだ
)
へ
苦
(
くる
)
しむが
如
(
ごと
)
くに
見
(
み
)
えつゝ、
本尊
(
ほんぞん
)
たる
女
(
をんな
)
の
像
(
ざう
)
は、
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
早
(
はや
)
く
黒煙
(
くろけむり
)
に
包
(
つゝ
)
まれて、
大
(
おほき
)
な
朱鷺
(
とき
)
の
形
(
かたち
)
した
一団
(
いちだん
)
の
燃
(
も
)
え
立
(
た
)
つ
火
(
ひ
)
が、
一羽
(
いちは
)
倒
(
さかさま
)
に
映
(
うつ
)
つて、
水底
(
みなぞこ
)
に
斉
(
ひと
)
しく
宿
(
やど
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
殯宮
(
ひんきゆう
)
に
通夜
(
つや
)
をしてゐるやうな
赤楊
(
はんのき
)
よ、おまへの王樣は崩御になつた、
赤楊
(
はんのき
)
の民よ、靜かな
水底
(
みなぞこ
)
に
冠
(
かんむり
)
の光を探しても、
夜
(
よ
)
の
宴
(
うたげ
)
の
歌舞
(
かぶ
)
の響を求めても、詮ない事になつて
了
(
しま
)
つた、
赤楊
(
はんのき
)
の王樣、今
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
水底
(
みなぞこ
)
のように
冷
(
つめた
)
く青い月の夜で、庭の樹々は心あるものが強いて沈黙を守っているような静けさで、
矗々
(
すくすく
)
と空に裸の枝を延ばしていた。その静けさは雨戸をしめ切った室の内までも沁みて来た。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
午後六時、
鵞鳥
(
がてう
)
の見たる
水底
(
みなぞこ
)
は
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
千人
(
ちたり
)
は
死
(
し
)
なむ
水底
(
みなぞこ
)
に。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
ほくそ
笑
(
ゑ
)
む
水底
(
みなぞこ
)
の
宮
(
みや
)
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
女
(
をんな
)
だてらに
水底
(
みなぞこ
)
の
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
と思い思う、まさしく、そこに、
水底
(
みなぞこ
)
へ、意中の夫人が、黒髪長くかかって見ゆる。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
水底
(
みなぞこ
)
に
水漬
(
みづ
)
く白玉なる郎女の身は、やがて又、
一幹
(
ひともと
)
の白い
珊瑚
(
さんご
)
の樹である。脚を根、手を枝とした水底の木。頭に生い
靡
(
なび
)
くのは、玉藻であった。玉藻が、深海のうねりのままに、揺れて居る。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
海よ、
爾
(
いまし
)
が
水底
(
みなぞこ
)
の富を數へしものやある。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
水底
(
みなぞこ
)
の
泥
(
どろ
)
を
逆上
(
さかあ
)
げ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
かくて
水底
(
みなぞこ
)
に
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
水底
(
みなぞこ
)
に
主
(
ぬし
)
が
棲
(
す
)
む……その逸するのを封ずるために、雲に
結
(
ゆわ
)
えて
鉄
(
くろがね
)
の網を張り詰めたように、百千の
細
(
こまか
)
な影が、
漣
(
ささなみ
)
立
(
た
)
って、ふらふらと数知れず、薄黒く池の中に浮いたのは、亀の池の名に負える
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
海よ、
爾
(
いまし
)
が
水底
(
みなぞこ
)
の富を数へしものやある。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
『おゝ、
私
(
わし
)
が
今
(
いま
)
出逢
(
であ
)
ふた、
水底
(
みなぞこ
)
から
仰向
(
あふむ
)
けに
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
いた
婦人
(
をんな
)
の
事
(
こと
)
ぢや。』
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“水底”の意味
《名詞》
海・川・湖沼などの底。水の底。
(出典:Wiktionary)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
底
常用漢字
小4
部首:⼴
8画
“水”で始まる語句
水
水際
水溜
水上
水面
水晶
水嵩
水車
水瓶
水洟