小波さゝなみ)” の例文
水底みづそこ缺擂鉢かけすりばち塵芥ちりあくた襤褸切ぼろぎれくぎをれなどは不殘のこらずかたちして、あをしほ滿々まん/\たゝへた溜池ためいけ小波さゝなみうへなるいへは、掃除さうぢをするでもなしにうつくしい。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
背後うしろ突拔つきぬけのきしで、こゝにもつち一面いちめんみづあをむで、ひた/\と小波さゝなみうねりえず間近まぢかる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
中央ちうあう木目もくめからうづまいてるのが、いけ小波さゝなみのひた/\とするおとなかに、となり納屋なやいしひゞきまじつて、しげつた擦合すれあふやうで、たとへば時雨しぐれるやうで
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)