“木目”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もくめ92.1%
きめ7.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鉄瓶の蔓にも茶箪笥の戸棚の木目もくめにも昔懐しい思出が動いて、春子さんは自然長座になる。お母さんも長男よりは長女が相談相手だ。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
旅行鞄トランクについで、木目もくめ白樺で象嵌ぞうがんをほどこしたマホガニイの手箱だの、長靴の型木だの、青い紙に包んだ鶏の丸焼だのが持ちこまれた。
「あいつの木目きめは波だろう」「あいつの木目は玉に相違ない」「おれの目つけたのは雲に相違ない」
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
乏しい電灯の光の下、木目きめの荒れた卓を前にし、吉良兵曹長は軍刀を支えたまま、うつろな眼を凝然ぎょうぜんと壁にそそいでいた。卓の上には湯呑みがからのまま、しんと静まりかえっていた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)