木目きめ)” の例文
「あいつの木目きめは波だろう」「あいつの木目は玉に相違ない」「おれの目つけたのは雲に相違ない」
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
乏しい電灯の光の下、木目きめの荒れた卓を前にし、吉良兵曹長は軍刀を支えたまま、うつろな眼を凝然ぎょうぜんと壁にそそいでいた。卓の上には湯呑みがからのまま、しんと静まりかえっていた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
というのは、木の木目きめたまが、頭巾ずきんにも腹のところにも、また、俵の左右の宝球のところにもまるでたまのようにうまく出たのであったので、それが縁喜が好いといって三枝氏が大層よろこんだのでした。