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小波
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ささなみ
ふりがな文庫
“
小波
(
ささなみ
)” の例文
円形の池を大廻りに、
翠
(
みどり
)
の水面に
小波
(
ささなみ
)
立って、
二房
(
ふたふさ
)
三房
(
みふさ
)
、ゆらゆらと藤の
浪
(
なみ
)
、
倒
(
さかしま
)
に
汀
(
みぎわ
)
に映ると見たのが、次第に
近
(
ちかづ
)
くと三人の婦人であった。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
月の光が行通れば、
晃々
(
きらきら
)
と
裳
(
もすそ
)
が揺れて、両の足の
爪先
(
つまさき
)
に、
美
(
うつくし
)
い
綾
(
あや
)
が立ち、月が
小波
(
ささなみ
)
を渡るように、
滑
(
なめら
)
かに
襞襀
(
ひだ
)
を打った。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と殊勝に正吉が、せめ念仏で畳掛けるに連れて、裂目が
鰭
(
ひれ
)
のように水を
捌
(
さば
)
いて
行
(
ゆ
)
く、と
小波
(
ささなみ
)
が立って、後を送って、やがて沼の中ばに、
静
(
じっ
)
と留まる。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
背後
(
うしろ
)
は
突抜
(
つきぬ
)
けの岸で、ここにも
地
(
つち
)
と一面な水が
蒼
(
あお
)
く澄んで、ひたひたと
小波
(
ささなみ
)
の
畝
(
うねり
)
が絶えず
間近
(
まぢこ
)
う来る。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その日一天うららかに空の色も水の色も青く澄みて、軟風おもむろに
小波
(
ささなみ
)
わたる淵の上には、
塵一葉
(
ちりひとは
)
の
浮
(
うか
)
べるあらで、白き鳥の翼広きがゆたかに
藍碧
(
らんぺき
)
なる水面を横ぎりて舞えり。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その日
一天
(
いつてん
)
うららかに空の色も水の色も青く
澄
(
す
)
みて、
軟風
(
なんぷう
)
おもむろに
小波
(
ささなみ
)
わたる淵の上には、
塵
(
ちり
)
一葉
(
ひとは
)
の浮べるあらで、白き鳥の
翼
(
つばさ
)
広きがゆたかに
藍碧
(
らんぺき
)
なる水面を横ぎりて舞へり。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
与太坊
(
よたぼう
)
、
父爺
(
ちゃん
)
は何事もねえよ。」と、池の
真中
(
まんなか
)
から声を懸けて、おやじは小屋の中を
覗
(
のぞ
)
こうともせず、
爪
(
つま
)
さきは
小波
(
ささなみ
)
を
浴
(
あ
)
ぶるばかり沈んだ
筏
(
いかだ
)
を棹さして、この時また
中空
(
なかぞら
)
から白い翼を
飜
(
ひるがえ
)
して
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雛
(
ひな
)
——
女夫雛
(
めおとびな
)
は言うもさらなり。
桜雛
(
さくらびな
)
、
柳雛
(
やなぎびな
)
、
花菜
(
はなな
)
の雛、桃の
花雛
(
はなびな
)
、白と
緋
(
ひ
)
と、
紫
(
ゆかり
)
の色の
菫雛
(
すみれびな
)
。
鄙
(
ひな
)
には、つくし、
鼓草
(
たんぽぽ
)
の雛。
相合傘
(
あいあいがさ
)
の
春雨雛
(
はるさめびな
)
。
小波
(
ささなみ
)
軽く
袖
(
そで
)
で
漕
(
こ
)
ぐ
浅妻船
(
あさづまぶね
)
の
調
(
しらべ
)
の雛。
五人囃子
(
ごにんばやし
)
、
官女
(
かんじょ
)
たち。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“小波”の意味
《名詞》
小さな波。さざなみ。
(出典:Wiktionary)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
波
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“小波”で始まる語句
小波瀾
小波大人
小波山人
小波巌谷