“おおなみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大濤34.0%
大浪32.1%
大波20.8%
巨浪1.9%
巨波1.9%
巨濤1.9%
怒濤1.9%
波濤1.9%
洪濤1.9%
1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ああ、あたしは……」と妖女は胸を大濤おおなみのように、はげしくふるわせた。思いがけない大きな驚きに全く途方とほうに暮れ果てたという形だった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大きな椰子やしや、橄欖かんらんや、ゴムの樹の植木鉢の間に、長椅子だのマットだの、クッションだの毛皮だのが大浪おおなみのように重なり合っている間を
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
海は教会きょうかいとうか山ぐらいもあるまっ黒な大波おおなみをもりあげていました。その大波のひとつひとつのてっぺんには、白いかんむりのようにあわがわきたっていました。
されど人を殺せし天罰は免かるるあたわず、幾度か打寄する巨浪おおなみのために呼吸はとまり、船具の破片等にその身を打たれて、身体を大檣に縛りつけしまま他界の鬼となりしならん
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
またもや打ち寄する巨浪おおなみのために、船は激しく傾き、一方より一方にまろんで頭を打ち、今ようやく息を吹返せるなり、他人が余の頭を打ちしにあらず、余自ら頭を打ちつけしなり
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
巨波おおなみがきた! 巨波がきた!」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
モコウは巨濤おおなみにうちたおされたひょうしに、帆綱ほづなにのどをしめられたのであった、かれはそれをはずそうともがくたびに、船の動揺どうようにつれて、綱がますますきつくひきしまるので
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
夜が更けるに従って天候は益〻悪くなって怒濤おおなみのような音を立てて吹雪が車窓へ吹きつけて来た。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
人の生血の波濤おおなみのあたり見るような、烈しい生存の渦中に身を投げて、心ゆくまで戦って戦って、戦い尽して見たいという悲壮な希望に満たされていたからである。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
らい州から船路をゆくこと三日、風力がすこぶる強いので、帆を十分に張って走らせると、洪濤おおなみのあいだに紅い旗のようなものが続いてみえた。
モスクヷのメーデーの光景が思い出され、自分はおおなみのように湧き起る歌を全身に感じた。
刻々 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)