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伸
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のび
ふりがな文庫
“
伸
(
のび
)” の例文
とちょっと考えたもんだから、涎も拭かずに沈んでいると、長蔵さんが、ううんと
伸
(
のび
)
をして、寝たまま
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
を耳の上まで持ち上げた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(ファウストは依然鏡の中の像を見ゐる。メフィストフェレスは椅子の上にて
伸
(
のび
)
をし、払子を揮ひつゝ語り続く。)
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
云出しければお光は大いに
驚怖
(
おどろき
)
て是は/\忠兵衞樣
夫
(
をつと
)
道十郎
不慮
(
ふりよ
)
のことにて
死去
(
しきよ
)
致してより八ヶ年の
其間
(
そのあひだ
)
悴
(
せがれ
)
の脊
丈
(
だけ
)
の
伸
(
のび
)
るのを
唯
(
たゞ
)
樂
(
たのし
)
みに此世を送り人に
後指
(
うしろゆび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
前垂
(
まへだれ
)
がけの
半纏着
(
はんてんぎ
)
、
跣足
(
はだし
)
に
駒下駄
(
こまげた
)
を
穿
(
は
)
かむとして、
階下
(
かいか
)
につい
居
(
ゐ
)
る
下足番
(
げそくばん
)
の
親仁
(
おやぢ
)
の
伸
(
のび
)
をする
手
(
て
)
に、
一寸
(
ちよつと
)
握
(
にぎ
)
らせ
行
(
ゆ
)
く。
親仁
(
おやぢ
)
は
高々
(
たか/″\
)
と
押戴
(
おしいたゞ
)
き、
毎度
(
まいど
)
何
(
ど
)
うも、といふ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
パタリと話が
休
(
や
)
んだ。雪江さんも黙って了う、松も黙って了う。何処でか遠方で犬の啼声が聞える。
所謂
(
いわゆる
)
天使が通ったのだ。雪江さんは
欠
(
あく
)
びをしながら、
序
(
ついで
)
に
伸
(
のび
)
もして
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
野干獅我が忠告を容れぬから碌な事が起るまいと呟く、どんな事が起るかと問うと虎が巣から出て
伸
(
のび
)
し
欠
(
あくび
)
し四方を見廻し三たび吼えて汝の前に来り殺さんと欲する事疑いなしと言うた
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お孃さんの玉ちやんは、臺所の聲よりは、お
母
(
かあ
)
さんの聲が耳にはいつたので、可哀らしい、むく/\とふとつた拳を二本にゆうと出して
伸
(
のび
)
をして、お
母
(
かあ
)
ちやん讓りの黒い目をぱつちり
開
(
あ
)
いた。
半日
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
凡
(
すべ
)
てが順当に行った。播いた種は
伸
(
のび
)
をするようにずんずん生い育った。仁右衛門はあたり近所の小作人に対して二言目には
喧嘩面
(
けんかづら
)
を見せたが六尺ゆたかの彼れに
楯
(
たて
)
つくものは一人もなかった。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
前
脚
(
あし
)
を延しながら一つ
伸
(
のび
)
をして、
撓垂
(
しなだれ
)
るように奥様の御膝へ乗りました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
暫時
(
しばらく
)
すると、
甲
(
ひとり
)
は
書籍
(
ほん
)
を草の上に投げ出して、
伸
(
のび
)
をして、
大欠
(
おおあくび
)
をして
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それから毎日
欠
(
かか
)
さずに注意していると、葉と葉との間からは総て蕾がめぐんで来た。それが次第に伸びて
拡
(
ひろ
)
がって来た。もうこうなると、発育の力は実に目ざましいもので、茎はずんずんと
伸
(
のび
)
てゆく。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして、
伸
(
のび
)
をしまして、にゅっと高くなって
「ああしんど」
(新字新仮名)
/
池田蕉園
(著)
ト平気で
伸
(
のび
)
をしながら、また欠伸をした。
あいびき
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
と
伸
(
のび
)
をした手で腕を
撫
(
さず
)
りながら
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「代助はまだ
帰
(
かへ
)
るんぢやなからうな」と
父
(
ちゝ
)
が云つた。代助はみんなから
一足
(
ひとあし
)
後
(
おく
)
れて、
鴨居
(
かもゐ
)
の
上
(
うへ
)
に両手が
届
(
とゞ
)
く様な
伸
(
のび
)
を一つした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今まではさも殊勝なりし
婦人
(
おんな
)
、
電
(
いなずま
)
のごとき眼を新聞に注ぐと
斉
(
ひと
)
しく身を
反
(
そら
)
し、
伸
(
のび
)
を打ち、
冷切
(
ひえき
)
ったる茶をがぶり、口に含み、
嗽
(
うがい
)
して、
絨毯
(
じゅうたん
)
の上に、どっと
吐出
(
はきいだ
)
し
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
弓のように
反
(
そ
)
って
伸
(
のび
)
をしながら、大きな口をアングリ
開
(
あ
)
いて
欠
(
あく
)
びをする所なぞは、
誰
(
た
)
が眼にも
余
(
あん
)
まり
見
(
みっ
)
とも好くもなかったから、父は始終厭な犬だ厭な犬だと言って私を厭がらせたが
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
代助は
長
(
なが
)
い
伸
(
のび
)
を一つして
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
つた。風呂場で
身体
(
からだ
)
を
拭
(
ふ
)
いてゐると、
門野
(
かどの
)
が
少
(
すこ
)
し
狼狽
(
うろた
)
へた容子で
遣
(
や
)
つて
来
(
き
)
て
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
空へ上れば峰へ
伸
(
のび
)
る、向うへかかれば海へ落ちて、いつ見ても、この水に、月の影が宿りません。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
枕元には新聞が二枚
揃
(
そろ
)
えてあった。代助は、門野が何時、雨戸を引いて、何時新聞を持って来たか、まるで知らなかった。代助は長い
伸
(
のび
)
を一つして起き上った。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大漢子
(
おほをのこ
)
の
兩手
(
りやうて
)
は、
伸
(
のび
)
をして、
天井
(
てんじやう
)
を
突拔
(
つきぬ
)
く
如
(
ごと
)
く
空
(
そら
)
ざまに
棚
(
たな
)
に
掛
(
かゝ
)
る、と
眞先
(
まつさき
)
に
取
(
と
)
つたのは、
彈丸帶
(
たまおび
)
で、
外套
(
ぐわいたう
)
の
腰
(
こし
)
へぎしりと
〆
(
し
)
め、
續
(
つゞ
)
いて
銃
(
じう
)
を
下
(
お
)
ろして、ト
筈高
(
はずだか
)
にがツしと
掛
(
か
)
けた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
屈
(
しゃが
)
んだ。
煖炉敷
(
ハースラッグ
)
の前でしゅっと云う音がする。乱れた紙は、静なるうちに、
惓怠
(
けったる
)
い
伸
(
のび
)
をしながら、下から暖められて来る。きな臭い煙が、紙と紙の
隙間
(
すきま
)
を
這
(
は
)
い
上
(
のぼ
)
って出た。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(へん、ちゃぶ屋の姉さんじゃあるまいし、
夜更
(
よふけ
)
にお客は取りませんからね、昼間寝たりなんかしませんよ、はい、
憚様
(
はばかりさま
)
でございますよ、
空
(
あ
)
いたのはそこに出してあら、)といいずてに
伸
(
のび
)
をして
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男はしきりに
烟草
(
たばこ
)
をふかしてゐる。長い烟りを鼻の穴から吹き出して、腕組をした所は大変悠長に見える。さうかと思ふと無暗に便所か何かに立つ。立つ時にうんと
伸
(
のび
)
をする事がある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小六は大きな
伸
(
のび
)
を一つして、
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
で自分の頭をこんこんと
叩
(
たた
)
いた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小六
(
ころく
)
は
大
(
おほ
)
きな
伸
(
のび
)
を
一
(
ひと
)
つして、
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
で
自分
(
じぶん
)
の
頭
(
あたま
)
をこん/\と
叩
(
たゝ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
伸
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
“伸”を含む語句
伸上
伸縮
欠伸
脊伸
背伸
引伸
大欠伸
伸々
間伸
差伸
丈伸
伸子
伸出
屈伸
牧野伸顕
伸伸
伸子張
片上伸
二伸
生欠伸
...