“曝(ば)” の例文
私のトリックは曝(ば)れそうだった。そのとき私は目ざとく、彼女の肩に一枚の木の葉がくっついているのを見つけて
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そればかりでなく、ウッカリ赤軍の中で、そんなものをやっていると身分が曝(ば)れる虞(おそ)れがありますからね。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
然し源助を生かして置いては奸計が曝(ば)れるので、「殺人鬼が潜入した」という騒ぎを利用し、自分の手で源助を殺したうえ、如何(いか)にも権六が殺害したように拵(こしら)えたのである。
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
けれどもお島が余(あんま)り勧めるもんだから物は試しだと思って花をやる気になった。そしてお島は黙っている約束をした。若(も)し喋ろうもんなら、此間彼(あ)の藪睨みにお金をやった事を曝(ば)らしてやる。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
三宅島(しま)にいたころのことを思や、これでも極楽(ごくらく)、下らねえ欲をかいて、変なことから、身性(みしょう)が曝(ば)れでもすると、とんだことだと思って、つつしんではいるものの、精進(しょうじん)ぐらしも、これで三年
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ユダヤ人ちうのは日本の××のような奴どもで、舎利甲兵衛に黒穂(くろんぼ)を上げておきさえすれば、如何(どげ)な前科があっても曝(ば)れる気遣いは無いという……つまり一種の禁厭(まじない)じゃのう。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
なんぞかんぞと絞った揚句(あげく)に。ゆする相手が破産をしたり。こちらの不正が曝(ば)れると見込めば。当の秘密の入院患者に。注射一本、水薬ポッタリ。あとで解剖してみるとても。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
実は今日ケルビンに会ってその後の形勢を聞いてみるつもりだったんだが……万一こっちのからくりが曝(ば)れそうだったら、いつも云う通りカルロ・ナインを締めるだけの事よ。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
イヤ……アハハハハ……これあ失敗(しくじ)った。うっかりネタを曝(ば)らしちゃった。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)