“硝子箱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ガラスばこ66.7%
がらすばこ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十坪程の表庭の草木は、硝子箱ガラスばこの中の標本のように、くっきり茎目くきめ立って、一きわ明るい日暮れ前の光線に、形をり出されている。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
露店の硝子箱ガラスばこには、煎餅せんべいや、天麩羅がうまそうであった。私は硝子箱にもたれて、煎餅と天麩羅をじっとのぞいた。硝子箱のはだには霧がかかっていた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
硝子箱がらすばこへ物を入れたように中の品物が見えかねばならん。しかるに我邦の文章とか文学と言われるものは鉄板をかさりにしてある。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ああ、串戯じょうだんじゃない——たなざらしの福助の置物という処が、硝子箱がらすばこの菊慈童と早がわりをしているんだ。……これは驚いた。半蔀はじとみ枢戸くるるどが総硝子になって、土間に黄菊と白菊か。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)