硝子箱がらすばこ)” の例文
硝子箱がらすばこへ物を入れたように中の品物が見えかねばならん。しかるに我邦の文章とか文学と言われるものは鉄板をかさりにしてある。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ああ、串戯じょうだんじゃない——たなざらしの福助の置物という処が、硝子箱がらすばこの菊慈童と早がわりをしているんだ。……これは驚いた。半蔀はじとみ枢戸くるるどが総硝子になって、土間に黄菊と白菊か。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)