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張
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ば
ふりがな文庫
“
張
(
ば
)” の例文
なわ
張
(
ば
)
りの外に見物はぞろぞろ集まっている。わたしはこわごわ見回すと、数知れないひとみの光がわたしたちの上に集まっていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
硝子箱
(
がらすばこ
)
へ物を入れたように中の品物が見え
透
(
す
)
かねばならん。しかるに我邦の文章とか文学と言われるものは鉄板を
累
(
かさ
)
ね
張
(
ば
)
りにしてある。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
そして、そのとき、
美
(
うつく
)
しい
店
(
みせ
)
の
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
って、ガラス
張
(
ば
)
りの
中
(
なか
)
に
幾
(
いく
)
つも
並
(
なら
)
んでいるオルガンや、ピアノや、マンドリンなどを
見
(
み
)
ましたとき
赤い船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
古藤はしゃちこ
張
(
ば
)
った軍隊式の立礼をして、さくさくと
砂利
(
じゃり
)
の上に
靴
(
くつ
)
の音を立てながら、
夕闇
(
ゆうやみ
)
の催した
杉森
(
すぎもり
)
の下道のほうへと消えて行った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「
好
(
い
)
い
香
(
にほひ
)
でせう」と云つて、自分の
鼻
(
はな
)
を、
瓣
(
はなびら
)
の
傍
(
そば
)
迄
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
て、ふんと
嗅
(
か
)
いで見せた。代助は思はず
足
(
あし
)
を
真直
(
まつすぐ
)
に
踏
(
ふ
)
ん
張
(
ば
)
つて、
身
(
み
)
を
後
(
うしろ
)
の方へ
反
(
そ
)
らした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
隅に、
短冊
(
たんざく
)
を散らし
張
(
ば
)
りにした
屏風
(
びょうぶ
)
が置いてある。ふと見ると、それが、何時の間にか
逆
(
さか
)
さ屏風になっているのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そこには、美しいくつだの、ぴかぴか光る長ぐつだのがはいった、大きなガラス
張
(
ば
)
りの
箱
(
はこ
)
が並んでいました。
赤いくつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
大きい重油の燃焼炉が地下室の真中にがん
張
(
ば
)
っていて、それから太い送気筒が、七、八本各部屋の床へ、
蛸
(
たこ
)
の足のようにのび上っている。ちょっと怪奇な恰好である。
ウィネッカの秋
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
さりとて、今見たように、
鯱
(
しゃち
)
こ
張
(
ば
)
ってのみおると、あれは小胆者ぞと敵に肚を押し
測
(
はか
)
られるぞ。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大家
(
たいか
)
高堂
(
かうだう
)
、
手
(
て
)
が
屆
(
とゞ
)
かず、
從
(
したが
)
つて
鼠
(
ねずみ
)
も
多
(
おほ
)
ければだけれども、
小
(
ちひ
)
さな
借家
(
しやくや
)
で、
壁
(
かべ
)
の
穴
(
あな
)
に
氣
(
き
)
をつけて、
障子
(
しやうじ
)
の
切
(
き
)
り
張
(
ば
)
りさへして
置
(
お
)
けば、
化
(
ば
)
けるほどでない
鼠
(
ねずみ
)
なら、むざとは
入
(
はひ
)
らぬ。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八畳の書斎の中央に、一
閑
(
かん
)
張
(
ば
)
りの机を前にして父は端然と坐つてゐた。そして其眼はぢつと前方遠くを
見凝
(
みつ
)
めてゐた。机の上には一冊の和本と、綴ぢた
稿本
(
かうほん
)
とが載せてあつた。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
いずれ川上の方の事だから高いには
相違
(
そうい
)
ないが、
恐
(
おそ
)
ろしい高い山々が、余り高くって天に
閊
(
つか
)
えそうだからわざと首を
縮
(
すく
)
めているというような
恰好
(
かっこう
)
をして、がん
張
(
ば
)
っている
状態
(
ありさま
)
は
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
飽
(
あ
)
くまで
木造
(
もくざう
)
一
點
(
てん
)
張
(
ば
)
りで
進
(
すゝ
)
んだか、これは
畢竟
(
ひつけう
)
地震
(
ぢしん
)
を
考慮
(
かうりよ
)
したゝめではなからうか
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
私は元来
囲碁
(
いご
)
を知らぬ、少しも分らないけれども、塾中の書生仲間に囲碁が始まると、ジャ/″\
張
(
ば
)
り
出
(
で
)
て
巧者
(
こうしゃ
)
なことを
云
(
いっ
)
て、ヤア黒のその手は間違いだ、
夫
(
そ
)
れ又やられたではないか
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
更にその両足を
頤
(
あご
)
にこすり付くまでに引きあげて、肩から背にかけて縛りつけるのであるから、彼は文字通りに海老のような形になって、押潰されたように
平
(
へ
)
た
張
(
ば
)
り伏しているのである。
拷問の話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして、
店
(
みせ
)
に
帰
(
かえ
)
ってから、そのさかずきを
他
(
た
)
の
細
(
こま
)
かな
美術品
(
びじゅつひん
)
といっしょに、ガラス
張
(
ば
)
りのたなの
中
(
なか
)
に
収
(
おさ
)
めて
陳列
(
ちんれつ
)
しました。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「君、
薄
(
すすき
)
の根へ足をかけて持ち
応
(
こた
)
えていたまえ。——あんまり前の方で
蹈
(
ふ
)
ん
張
(
ば
)
ると、
崖
(
がけ
)
が
崩
(
くず
)
れて、足が滑べるよ」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なんでもわたしがさるをけしかけているように思ったとみえて、いきなりなわ
張
(
ば
)
りの中へとびこんで来た。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
謝罪って謝罪って謝罪り
貫
(
ぬ
)
いたらお情深い親方様が、まさかにいつまで怒ってばかりも居られまい、一時の料簡違いは
堪忍
(
かに
)
して下さることもあろう、分別しかえて意地
張
(
ば
)
らずに
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その連でもないのに、坊主は腕まくりをして、陽木棍で膝を敲いて
出
(
で
)
しゃ
張
(
ば
)
った。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「伝二郎さんてましてね、
田之助
(
たゆう
)
張
(
ば
)
りの、女の子にちやほやされる——。」
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ジョリクールは
事件
(
じけん
)
の重大なことを
理解
(
りかい
)
しなかった。そこでおもしろ半分なわ
張
(
ば
)
りの中で
巡査
(
じゅんさ
)
とならんで歩きながら、その
一挙一動
(
いっきょいちどう
)
を身ぶりおかしくまねていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
はたして、
乞食
(
こじき
)
の
親子
(
おやこ
)
は、ぶなの
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
もとで
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
きました。
青
(
あお
)
い
煙
(
けむり
)
が、
幹
(
みき
)
を
伝
(
つた
)
い、
小枝
(
こえだ
)
を
分
(
わ
)
けて、
冴
(
さ
)
えた、よくふき
清
(
きよ
)
めたガラス
張
(
ば
)
りのような
空
(
そら
)
へ
上
(
のぼ
)
ってゆきました。
縛られたあひる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ウガチとかコガシとか申す者は
空抜
(
うろぬき
)
にしてと断りながら、
青内寺
(
せいないじ
)
煙草
(
たばこ
)
二三服
馬士
(
まご
)
張
(
ば
)
りの
煙管
(
きせる
)
にてスパリ/\と
長閑
(
のどか
)
に吸い無遠慮に
榾
(
ほだ
)
さし
焼
(
く
)
べて舞い立つ灰の
雪袴
(
ゆきんばかま
)
に落ち
来
(
きた
)
るをぽんと
擲
(
はた
)
きつ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
美
(
うつく
)
しいガラス
張
(
ば
)
りの
店頭
(
みせさき
)
に
おもちゃ店
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“張(張(姓))”の解説
張(ちょう)は、漢姓の一つ。中華圏で多い姓の1つである。
(出典:Wikipedia)
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“張”を含む語句
矢張
引張
緊張
出張
突張
威張
誇張
見張
硝子張
鯱張
頬張
張合
薩張
葭簀張
大威張
縄張
主張
高張提灯
弓張提灯
繩張
...