“田之助”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たのすけ75.0%
たゆう25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことに宗十郎の実弟には、評判の高い田之助たのすけがあったし、有明楼は文人画伯の多く出入でいりした家でもあったので、お菊はかなりな人気ものであった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ヘボン先生といえば、何人なんぴともすぐに名優田之助たのすけの足を聯想し、岸田の精錡水せいきすいを聯想し、和英字書を聯想するが、私もこの字書に就ては一種の思い出がある。
一日一筆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
台の上には、他の物と一しょに、丸にいの字の田之助たゆう珊瑚が五つ六つ飾ってある。大きさも意匠いしょうもみな同じようで、帯留の前飾りにできたものだった。
玳瑁たいまいの地に金蒔絵きんまきえで丸にいの字の田之助たゆうの紋が打ってあるという豪勢な物、これが、その日暮しのお菊の髪に差さっていたのがこの際不審の種であった。