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従兄妹
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いとこ
ふりがな文庫
“
従兄妹
(
いとこ
)” の例文
旧字:
從兄妹
叔父と母とがそんなことを言っているのを私は
襖越
(
ふすまご
)
しで
従兄妹
(
いとこ
)
たちと陽気な話をしていながら耳にした。私のことを話しているので——。
地球儀
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
丈太郎とは
従兄妹
(
いとこ
)
同志、生れ落ちるからの
許嫁
(
いいなずけ
)
で、
二十歳
(
はたち
)
になったら一緒にと、親達の間で極められた二人の運命だったのです。
新奇談クラブ:05 第五夜 悪魔の反魂香
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分の国は田舎の方だものだから、大森の親類へ来ているので、あなたと
従兄妹
(
いとこ
)
同士の間柄だと、ナオミさんは云っていました。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
小田刑事はこの継母ふさの
従兄妹
(
いとこ
)
に当たるそうですから、継母に会って話した結果、ふさは絶対に富三を殺したのではなく
頭蓋骨の秘密
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
叔母には
下枝
(
しずえ
)
、藤とて美しき二人の娘あり。我とは
従兄妹
(
いとこ
)
同士にていずれも
年紀
(
とし
)
は我より
少
(
わか
)
し。多くの腰元に
斉眉
(
かしず
)
かれて、荒き風にも当らぬ花なり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
従兄妹
(
いとこ
)
同志ともつかぬ異様な間柄になっているのではないか……と疑えば疑い得る筋がないでもない位の事であった。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「私はあなたが、中村さんと、親戚とか
従兄妹
(
いとこ
)
同士とか、そんな風な関係かと思いました。余り親しそうだから。」
変な男
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
継子さんとは
従兄妹
(
いとこ
)
同士で、ゆくゆくは結婚なさるという事をわたくしもかねて知っていたのでございます。
停車場の少女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「随分貴方は頑固なのネ。貴方と妾とは
従兄妹
(
いとこ
)
じゃありませんか。泊っていったって何ともないじゃないの」
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
とお延は正太に
挨拶
(
あいさつ
)
した。
従兄妹
(
いとこ
)
同志の間ではあるが日頃正太のことを「兄さん、兄さん」と呼んでいた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
すぐ
冴
(
さ
)
えたものを、今は、その反対で、冴えている時でも、昇の顔を見れば、すぐ顔を曇らして、冷淡になって、余り口数もきかず、総て仲のわるい
従兄妹
(
いとこ
)
同士のように
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
またその上に大阪役者の中村
芝雀
(
しばじゃく
)
(後に雀右衛門)を
従兄妹
(
いとこ
)
にもっていたので、東上のおりには、引幕を
遣
(
おく
)
ったり
見連
(
けんれん
)
を催したりする、彼女の生活の色彩は、いよいよ華やかであった。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
源系
(
げんけい
)
義家の孫、義朝の
従兄妹
(
いとこ
)
にてさいつころから、大軍を
糾合
(
きゅうごう
)
して、関東より攻めのぼるであろうと怖れられている頼朝、
義経
(
よしつね
)
は、この十八公麿には、
復従兄弟
(
またいとこ
)
にあたるのでございます
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかしお祖母さまには逆らえない、お祖母さまも松山から来た人だし、その娘と私とは
従兄妹
(
いとこ
)
に当る、——母があんなことになったうえに、三代も重縁というのは私は好ましくないんだ」
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それでも時々は立て続けに、五六番老妻に勝ち越されると、むきになつて怒り出す事もあつた。家督を継いだ長男は、
従兄妹
(
いとこ
)
同志の新妻と、廊下続きになつてゐる、手狭い離れに住んでゐた。
庭
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
従兄妹
(
いとこ
)
同
志
(
し
)
で
恋
(
こひ
)
し合つて、青木さんの
境遇
(
きやうぐう
)
にすれば
多少
(
たせう
)
早過
(
はやす
)
ぎもしたのであつたが、
互
(
たがひ
)
に
思
(
おも
)
ひつめた
若々
(
わか/\
)
しい
熱情
(
ねつじやう
)
のまゝに
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
結婚生活
(
けつこんせいくわつ
)
にはいつた二人は、まる三年
間
(
かん
)
を
※
(
へ
)
たその
頃
(
ころ
)
になつて
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「だつて、あんた、
従兄妹
(
いとこ
)
同士で、そんなことできると思つて?」
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「実はね親分、
従兄妹
(
いとこ
)
同士だけれども、私の娘のお信と一緒にして、末長く見て貰うはずでしたよ。足は悪かったが、智恵の
逞
(
たくま
)
しい、良い男で——」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
従兄妹
(
いとこ
)
が一人ありゃ、俺は、こんな思いはしやしない!……よう、お蔦、そしてお前は当分どうするつもりだ。
湯島の境内
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、小田さんは、
従兄妹
(
いとこ
)
に当たる富三の
継母
(
ままはは
)
の心中を思って、眼をうるおして答えられました。
頭蓋骨の秘密
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
水沢継子さんの
阿兄
(
おあにい
)
さん——継子さんもそう云つてゐますし、わたくし共も矢はりさう云つてゐましたけれど、実はほんたうの
兄
(
あに
)
さんではない、継子さんとは
従兄妹
(
いとこ
)
同士で
停車場の少女:――「近代異妖編」
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「そのまちかねえという方、なんですの、女の方なのでしょ、どんな方、もちろん若い方でしょ、おきれいにちがいありませんわね、御親類とか
従兄妹
(
いとこ
)
とか、貴方とどんな関係がおありですの」
百足ちがい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
家の生活で結び付けられた人々の、微妙な、
陰影
(
かげ
)
の多い、言うに言われぬ深い関係——そういうものが重苦しく彼の胸を圧して来た——叔父姪、
従兄妹
(
いとこ
)
同志、義理ある姉と弟、義理ある兄と妹……
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
従兄妹
(
いとこ
)
か」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お辰とは
従兄妹
(
いとこ
)
同士で、知らない仲ではございませんが、一緒になったのは、先代に不意の事があって、一と月も経ってから始まった話でございます。
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
従兄妹
(
いとこ
)
よりももっと濃い仲——○○○○の間柄——で夫婦になり、私を生んだのである。
犬神
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
遂にお通と謙三郎とが既に成立せる恋を破りて、おのれ
犠牲
(
いけにえ
)
を得たりしにもかかわらず、
従兄妹
(
いとこ
)
同士が恋愛のいかに強きかを知れるより、
嫉妬
(
しっと
)
のあまり、
奸淫
(
かんいん
)
の念を節し、当初婚姻の
夜
(
よ
)
よりして
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「また
従兄妹
(
いとこ
)
に当っております」
城中の霜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「お舟と和助も、
従兄妹
(
いとこ
)
同士か何かだ。二人ずつ相談して口を合せたら、どんな嘘でも通るじゃないか」
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私の父と母とは
従兄妹
(
いとこ
)
の間柄でしたから、私たちのような不具者の生れるのは医学上当然のことでありましょうけれど、やはり旅僧の祟りと思われる事情があったので御座います。
呪われの家
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
兄妹
(
きょうだい
)
のようか、
従兄妹
(
いとこ
)
のようか、それとも師弟のようか、
主従
(
しゅうじゅう
)
のようか、小説のようか、伝奇のようか、そこは分りませんが、惚れているにゃ違いないのですから、私は、親、伯父、叔母、諸親類
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
従兄妹
(
いとこ
)
同士の夫婦が一組出来上がって、小永井の家は千秋万歳さ、——ところで、倅があの家の跡を
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分とは
従兄妹
(
いとこ
)
の間柄なる本妻の
綾野
(
あやの
)
を嫌い、とうとう一年経たないうちに、
柳橋
(
やなぎばし
)
芸者のお勝を、奉公人名義で
妾
(
めかけ
)
にいれ、それを
鍾愛
(
しょうあい
)
するの余り、本妻の綾野を
瘋狂
(
ふうきょう
)
と称して
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
忠弘には
絹姫
(
きぬひめ
)
という
従兄妹
(
いとこ
)
同士の
許婚
(
いいなずげ
)
があり、朝夕顔を合わせておりますが、絹姫の絵に描いたような端麗な美しさも、
取済
(
とりすま
)
したお行儀のよさも、学問諸芸の並々ならぬたしなみも
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ヘエ——、遠い
従兄妹
(
いとこ
)
同士ですが、来年の春は祝言することになっております」
銭形平次捕物控:128 月の隈
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お粂が自分から飛出せば、菊之助とお勇はちょうど良い
配偶
(
つれあい
)
じゃないか。二人一緒になれば、
従兄妹
(
いとこ
)
同士で越前屋が立てられる。勝造は娘の出世になることだから、自然遠のくだろう。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お紋さんと
従兄妹
(
いとこ
)
同士で、三十そこそこでございます、肌合の面白い方で」
銭形平次捕物控:094 死相の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“従兄妹”の意味
《名詞》
従兄妹(いとこ)
(漢字用例)詳細はいとこを参照。男性と女性のいとこ。男性が年上の場合の用例。
(出典:Wiktionary)
従
常用漢字
小6
部首:⼻
10画
兄
常用漢字
小2
部首:⼉
5画
妹
常用漢字
小2
部首:⼥
8画
“従兄妹”で始まる語句
従兄妹同志