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糸子
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いとこ
ふりがな文庫
“
糸子
(
いとこ
)” の例文
丸顔に
愁
(
うれい
)
少し、
颯
(
さっ
)
と
映
(
うつ
)
る
襟地
(
えりじ
)
の中から
薄鶯
(
うすうぐいす
)
の
蘭
(
らん
)
の花が、
幽
(
かすか
)
なる
香
(
か
)
を肌に吐いて、着けたる人の胸の上にこぼれかかる。
糸子
(
いとこ
)
はこんな女である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主命
(
しゆうめい
)
に
依
(
よ
)
りて
糸子
(
いとこ
)
縁談
(
えんだん
)
の申し
込
(
こみ
)
なるべし、
其時
(
そのとき
)
雪三
(
せつざう
)
决然
(
けつぜん
)
とせし
聲音
(
こわね
)
にて、
折角
(
せつかく
)
の
御懇望
(
ごこんもう
)
ながら
糸子
(
いとこ
)
さま
御儀
(
おんぎ
)
他家
(
たけ
)
へ
嫁
(
か
)
したまふ
御身
(
おんみ
)
ならねばお
心
(
こゝろ
)
承
(
うけたまは
)
るまでもなし
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「貰うなら、貰うで、
糸子
(
いとこ
)
でも何でも勝手な人を貰うがいいやね。こっちはこっちで早く小野さんを入れてしまうから」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
心
(
こゝろ
)
は
變化
(
へんくわ
)
するものなり、
雪三
(
せつざう
)
が
徃昔
(
そのかみ
)
の
心裏
(
しんり
)
を
覗
(
うかゞ
)
はゞ、
糸子
(
いとこ
)
に
對
(
たい
)
する
觀念
(
くわんねん
)
の
潔白
(
けつぱく
)
なること、
其名
(
そのな
)
に
呼
(
よ
)
ぶ
雪
(
ゆき
)
はものかは、
主人
(
しゆじん
)
大事
(
だいじ
)
の
一
(
ひ
)
ト
筋道
(
すぢみち
)
、
振
(
ふり
)
むくかたも
無
(
な
)
かりし
物
(
もの
)
の
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「よっぽど男らしくない
性質
(
たち
)
ですね。それより早く
糸子
(
いとこ
)
さんでも
貰
(
もら
)
ってしまったら好いでしょうに」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
青柳家
(
あをやぎけ
)
の
門
(
かど
)
踏
(
ふ
)
まぬ
時
(
とき
)
なり、
糸子
(
いとこ
)
が
愛
(
あい
)
らしき
笑顏
(
ゑがほ
)
に
喜
(
よろ
)
こび
迎
(
むか
)
へて、
愛
(
あひ
)
らしき
言葉
(
ことば
)
かけらるゝ
時
(
とき
)
には、
道
(
みち
)
に
背
(
そむ
)
かば
背
(
そむ
)
け
世
(
よ
)
の
嗤笑
(
ものわらひ
)
にならばなれ、
君故
(
きみゆへ
)
捨
(
す
)
つる
名
(
な
)
眞
(
しん
)
ぞ
惜
(
を
)
しからず
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
糸
常用漢字
小1
部首:⽷
6画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“糸”で始まる語句
糸
糸瓜
糸屑
糸杉
糸織
糸底
糸魚川
糸口
糸巻
糸目