從姉いとこ)” の例文
新字:従姉
從姉いとこのイライザ。でも多分あなたの持つてらつしやる分別は來年あたりは佛蘭西の尼寺の中にそのまゝ閉ぢ籠められてゐるのでせうね。
かういふ最初の記憶はウオタアヒアシンスの花の仄かに咲いた瀦水たまりみづそばをぶらつきながら、從姉いとことそのせなに負はれてゐた私と
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「なあに、牛込の從姉いとこへやるつまらない手紙で、——勘定の方はあの人がお勝手を預かつて居ますから、月に二度ぐらゐは算盤そろばんを置く手傳ひをさせられます」
……なにかんがへたか、いづれ周章あわてたまぎれであらうが、神田かんだ從姉いとこ——松本まつもとながしあね口説くどいて、じつ名古屋なごやゆきにてゐた琉球りうきうだつて、月賦げつぷ約束やくそくで、その從姉いとこかほ
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今のロチスターさんのお母樣はフェアファックス家の方で、私の良人とは、ふた從姉いとこになるのでございます。
「すると下手人は若旦那の民彌か、從姉いとこのお萬といふことになるが——」
從姉いとこは氣が狂つた
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
クリーム色の丸ぽちやで明るくて、笑顏の滅法可愛らしい——自分もまたそれを意識して、從姉いとこのお縫が死んだといふのに、柔かい微笑を斷やさないと言つた、世にも目出度い處女むすめだつたのです。
私の從姉いとこ達は嬉しさで一ぱいになつて、セント・ジョンの無口を壓倒する程、雄辯に話したり論じたりした。彼は、妹達に會つて心から嬉しかつたが、二人がはしやいで騷ぎまはるのは氣に入らなかつた。
弊私的里ヒステリー從姉いとこきて
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「いや、從兄同士とはいふものの、血のつながりは遠くなります。新六郎の父親は、この坂倉屋の先代で、私には義理の兄に當り、お銀の母親は、私の義兄あにの妹で、これも私の娘のお絹とは名ばかりの從姉いとこ同士になります」