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従兄弟
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いとこ
ふりがな文庫
“
従兄弟
(
いとこ
)” の例文
旧字:
從兄弟
良人
(
おっと
)
頼春のまた
従兄弟
(
いとこ
)
にあたる、小次郎様であるようなら、その小次郎様に逢わせていただき、良人の居場所を知らせていただこう。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
主君の信長の
従兄弟
(
いとこ
)
にあたる名古屋因幡守から、この末臣の家へ、
直々
(
じきじき
)
に状を持たせて使いをよこすなどは極めて稀れなことである。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妻はしばしば「あなた方は、
従兄弟
(
いとこ
)
同士なら、ときどきは何か言うものよ。唖だって、従兄弟同士なら、手
真似
(
まね
)
で語り合っているわよ」
秋草の顆
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
二カ所の広い土地は彼女の
従兄弟
(
いとこ
)
のワトソンに与えてくれ、金貨の財布は彼女の
私室
(
キャビネット
)
にあるということを書き送ってくれと言った。
世界怪談名作集:07 ヴィール夫人の亡霊
(新字新仮名)
/
ダニエル・デフォー
(著)
「三人の
従兄弟
(
いとこ
)
」などになると、其上に又親父さんの青年に対する反抗的な感情が一篇の主意もしくは哲理として後の方に出ています。
木下杢太郎『唐草表紙』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
従兄弟
(
いとこ
)
さえこの通りだから、他人は尚更のことだ。同級生は私を仲間外しにする。今から考えて見ると無理もない。皆いたずら
盛
(
ざか
)
りだ。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
従兄弟
(
いとこ
)
味方、な、従兄弟同士ってこのことだ、同じ長屋にいたから味方で、
泥溝泥
(
どぶどろ
)
長屋にいたから味方でないってこともござんすまい。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
夫や兄弟や
従兄弟
(
いとこ
)
のことを心配顔な留守居の
婦女
(
おんな
)
、子供、それから老人なぞが休息する兵卒等の間を分けて、右にも左にも歩いていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
破れかぶれよ、按摩さん、
従兄弟
(
いとこ
)
再従兄弟
(
はとこ
)
か、
伯父甥
(
おじおい
)
か、親類なら、さあ、
敵
(
かたき
)
を取れ。私はね、……お仲間の按摩を一人殺しているんだ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
数千年前に
袖
(
そで
)
を分かった
従兄弟
(
いとこ
)
を
捜
(
さが
)
すのに、変ってまた変った現在の言葉を、
足場
(
あしば
)
手がかりにしようとするのはまちがいである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
遠藤は母の実家であるが、ふしぎに安倍とは往き来がないので、外祖母のことも、
従兄弟
(
いとこ
)
に当る千之助のことも、半之助はよく知らなかった。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
福子は庄造と
従兄弟
(
いとこ
)
同士で、嫁に来た事情が事情だから、
姑
(
しゅうとめ
)
には気がねが要らなかつたし、来た明くる日から我が儘一杯に振舞つてゐたけれど
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
長皇子
(
ながのみこ
)
(天武天皇第四皇子)が
志貴皇子
(
しきのみこ
)
(天智天皇第四皇子)と
佐紀
(
さき
)
宮に於て宴せられた時の御歌である。御二人は
従兄弟
(
いとこ
)
の関係になっている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
従兄弟
(
いとこ
)
の金之丞が後見人になり、佐吉は相変らず支配人として、店の方を万事取締って行くことに決めてしまいました。
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その人は母方の身続きで、下宿の
主婦
(
あるじ
)
とは
従兄弟
(
いとこ
)
同志であった。村では村長をしていて、赤十字の大会などがあると花見がてらにきっと上って来た。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
飛んだ事だといって父が
夫
(
それ
)
では
如何
(
どう
)
しても承知して
呉
(
くれ
)
なかったから、じゃ、法学と政治学とは
従兄弟
(
いとこ
)
同士だと思って、法律をやりたいと言って見た。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
小山「それにしても血族婚礼は生理上に害がある。モー一層社会が進歩したら
従兄弟
(
いとこ
)
同士の婚礼は法律上で禁ずるかも知れんという
有様
(
ありさま
)
だ。その事を ...
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
英語の brave や bravo も「べらぼう」の
従兄弟
(
いとこ
)
であるが、これはたぶん (L.)barbarus と関係があるという説がある。
言葉の不思議
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「おめえと
従兄弟
(
いとこ
)
同士の源右衛門はどうした。駈け落ちをしたと云うのは嘘で、あの抜け道のなかに
埋
(
うま
)
って死んだのだろう。その死骸はどこへ隠した」
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私達が
其処
(
そこ
)
へ入って行くと、今度○○署の司法主任に栄進した私の
従兄弟
(
いとこ
)
が快く私達を迎えながら、この事件は自殺でなく絞殺による他殺事件である事
デパートの絞刑吏
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
それに
従兄弟
(
いとこ
)
たちは大勢だし、汽車や電車のおもちゃはあるし、都会は壮麗だし、何か早く帰りたいらしかった。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
中津人は俗物であると
思
(
おもっ
)
て、
骨肉
(
こつにく
)
の
従兄弟
(
いとこ
)
に対してさえ、心の中には何となく
之
(
これ
)
を
目下
(
めした
)
に
見下
(
みくだ
)
して居て、
夫等
(
それら
)
の者のすることは一切
咎
(
とがめ
)
もせぬ、
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「えゝ、知ってますとも、
従兄弟
(
いとこ
)
です。もしかしたらそうじゃないかと思っていたんですが。あゝ、卓一君、可哀想に——こ、こんな有様で死ぬとは——」
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
今日で云へば田舎の豪家の若者が
従兄弟
(
いとこ
)
同士二人、共に大学に遊んで、卒業後東京の有力者間に交際を求め、出世の緒を得ようとしてゐるやうなものである。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
従兄弟
(
いとこ
)
たちは、お祖母さんと一緒に、板の間でやんやんとはしゃぎながら、小餅を丸めている。お祖父さんと伯母さん夫婦は、奥にでもいるのか、姿が見えない。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
聞けば丈五郎の
従兄弟
(
いとこ
)
とかいうことであったが、まだ若い老先の長い身で、可哀想に、見なされ、あの洞穴の側の魔の淵という所へ、死骸になって浮上りました。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ものが欲しいというのと、見る人がなければ
拾
(
ひろ
)
うということは遠くとも
従兄弟
(
いとこ
)
同士ぐらいである。欲しがる人が拾わぬというは、世の中に制裁があるからである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
時にパリーに来ることがあったが、それもごくまれで、マリユスはかつて会ったことがないくらいだった。ふたりの
従兄弟
(
いとこ
)
は互いに名前だけしか知ってはいなかった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
けれども何より
嬉
(
うれ
)
しくって今思いだしても堪りませんのは同じ年ごろの
従兄弟
(
いとこ
)
と二人で遊ぶことでした。二人はよく山の
峡間
(
はざま
)
の
渓川
(
たにがわ
)
に
山鰷
(
やまばえ
)
を
釣
(
つ
)
りに行ったものでございます。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
父様が
血統
(
ちすじ
)
の
従兄弟
(
いとこ
)
同志ゆえ夫婦にしたら睦ましかろう、
此様
(
こん
)
な芽出てい事はねえって、死ぬる
臨終
(
いまわ
)
に枕元でおえいと婚礼の盃をしたに、
貴方
(
あんた
)
は死んだ父様のお遺言を忘れ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そのうちに
上元
(
じょうげん
)
の節となった。母方の
従兄弟
(
いとこ
)
に
呉
(
ご
)
という者があって、それが迎いに来たので一緒に遊びに出て、村はずれまでいった時、呉の家の
僕
(
げなん
)
が呉を呼びに来て
伴
(
つ
)
れていった。
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
このことは、父や
叔父
(
おじ
)
たちや
従兄弟
(
いとこ
)
たちや
数多
(
あまた
)
の
親戚
(
しんせき
)
など、彼がなすことをすべて監視しそれをいまいましく思うのを自分の権利だとしてる連中を、たぶんは立腹させるかもしれないと思った。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
従兄弟
(
いとこ
)
同士が夫婦に成ることは犬のようである、兄弟が夫婦になったと同じだから許せないというて大いに世人も
咎
(
とが
)
めるのみならず、やはり法律上の罪人としてその処刑を受けなければならん。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
一、親族を
睦
(
むつま
)
じくする事大切なり。これも大てい人の心得たる事なり。
従兄弟
(
いとこ
)
と申すもの兄弟へさしつづいて親しむべき事なり。
然
(
しか
)
るに世の中従兄弟となれば甚だ
疎
(
うと
)
きもの多し。
能々
(
よくよく
)
考て見るべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
玉音は地主の娘に生れて
従兄弟
(
いとこ
)
の弁護士と結婚した。
法華僧の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『性が合はんでも、僕は君の
従兄弟
(
いとこ
)
だよ。』
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
己をおじだ、
従兄弟
(
いとこ
)
だ、兄弟だと云って
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「あれは
正行
(
まさつら
)
の
従兄弟
(
いとこ
)
和田正朝
(
わだまさとも
)
じゃ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
日常、礼儀作法のやかましいお方が、いかにお
従兄弟
(
いとこ
)
の仲とはいえ、
蚊帳
(
かや
)
の中にはいって、しきりと、密談遊ばしているのだった。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その時、客はいまいましそうに、なおも手にした木刀で栄吉の方へ打ちかかろうとするので、半蔵は身をもって
従兄弟
(
いとこ
)
をかばおうとした。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
福子は庄造と
従兄弟
(
いとこ
)
同士で、嫁に来た事情が事情だから、
姑
(
しゅうとめ
)
には気がねが
要
(
い
)
らなかつたし、来た明くる日から
我
(
わ
)
が
儘
(
まま
)
一杯に振舞つてゐたけれど
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
すなわち以前の
従兄弟
(
いとこ
)
たちが衰弱し散乱して、周囲のより強い部族に吸収せられて、言語や系統の意識を失ってしまっている場合があるからである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
こう思いめぐらしていたとき、後西院ノ上皇という存在に気づいたのであった。上皇と隠居の綱宗とは
従兄弟
(
いとこ
)
に当る。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
矢張り一緒に卒業した
従兄弟
(
いとこ
)
の寛一君と二人がかりで番頭共にお手本を示す立場だから骨が折れる。神経衰弱にでも
罹
(
かか
)
らなければ
浩然
(
こうぜん
)
の気は養えない。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
従兄弟
(
いとこ
)
なり親友なり未来の……夫ともなる文三の
鬱々
(
うつうつ
)
として楽まぬのを
余所
(
よそ
)
に見て、
行
(
ゆ
)
かぬと云ッても勧めもせず、平気で澄まして
不知顔
(
しらぬかお
)
でいる
而已
(
のみ
)
か
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
また二人の様子を
直
(
じか
)
に観察しても尋常の
従兄弟
(
いとこ
)
以上に何物も
仄
(
ほの
)
めいていなかったには違ないが、こういう当初からの
聯想
(
れんそう
)
に支配されて、彼の頭のどこかに
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三十七、八年の戦役に我が艦隊を悩ました
濛気
(
もうき
)
もこの
従兄弟
(
いとこ
)
のようなものであろう。また船乗の恐れる海坊主というのは霧の濃いかたまりだという説がある。
歳時記新註
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その頃、私を今村家へ書生に入れてくれた、私の
従兄弟
(
いとこ
)
の岡本という人が、東京市の工事担当員になっていたので、私は岡本さんの事務を手伝うことになった。
骨を削りつつ歩む:――文壇苦行記――
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
私の家はもう妹のお辰に
従兄弟
(
いとこ
)
の吉五郎を婿に取って継ぎ、私が死んでも何不自由なくやっております。
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ソレカラ私も次第に成長して、少年ながらも少しは世の中の事が
分
(
わか
)
るようになる中に、私の
従兄弟
(
いとこ
)
などにも随分
一人
(
ひとり
)
や
二人
(
ふたり
)
は学者がある。
能
(
よ
)
く書を読む男がある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“従兄弟”の意味
《名詞》
従兄弟(ジュウケイテイ いとこ)
(漢字用例)男性のいとこ。年齢の上下を意識しない場合の用例。
(漢字用例)複数のいとこを意識し、男女を問わない場合の用例。
(出典:Wiktionary)
従
常用漢字
小6
部首:⼻
10画
兄
常用漢字
小2
部首:⼉
5画
弟
常用漢字
小2
部首:⼸
7画
“従兄弟”で始まる語句
従兄弟同志
従兄弟似
従兄弟女