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従姉妹
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いとこ
ふりがな文庫
“
従姉妹
(
いとこ
)” の例文
旧字:
從姉妹
可懐
(
なつか
)
しい、恋しい、いとおしい、嬉しい情を支配された、
従姉妹
(
いとこ
)
や姉に対するすべての
思
(
おもい
)
を、境遇の
斉
(
ひと
)
しい一個蝶吉の上に綜合して
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お俊は
最早
(
もう
)
気が気でなかった。母は、と見ると、障子のところに身を寄せて、聞耳を立てている。
従姉妹
(
いとこ
)
は
長火鉢
(
ながひばち
)
の側に
俯向
(
うつむ
)
いている。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「御主人は、とても優しい人だし、おかみさんは私の
従姉妹
(
いとこ
)
にあたる人だから、ちっとも、つらい事なんかありやしないからね」
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鼈四郎は伯母の末の娘で檜垣の主人の
従姉妹
(
いとこ
)
に当るこの逸子という女の、その意味での非凡さにもやがて
搦
(
から
)
め捕られてしまった。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ところが土木技師だというその黒瀬にも、クニ子という
従姉妹
(
いとこ
)
がいるんだそうだ。ぼくが二郎で彼が次郎。やはり妻と二人きりで暮している。
お守り
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
▼ もっと見る
酒間の
斡旋
(
あっせん
)
は鶴子以下の姉妹が当る筈であったが、
従姉妹
(
いとこ
)
たちやお春や庄吉の妻などが働いてくれたので、姉妹たちは
殆
(
ほとん
)
ど動かないで済んだ。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
剛子がキャラコの
下着
(
シュミーズ
)
をきているのを
従姉妹
(
いとこ
)
たちに発見され、それ以来、剛子はキャラ子さんと呼ばれるようになった。
キャラコさん:01 社交室
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
クリストフはそれに驚かされた。彼はマンハイム家で、ユーディットの
伯母
(
おば
)
たちや
従姉妹
(
いとこ
)
たちや友だちらに出会った。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
この
悪戯
(
いたずら
)
学生は、叱られぬのをよいことにして、ちょっとしたわるさをさんざんやった。彼は悪戯気たっぷりで、叔母や
従姉妹
(
いとこ
)
たちをいじめては喜んでいた。
クリスマス・イーヴ
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
今一人の妹とか、幾人かの
姪
(
めひ
)
や
甥
(
をひ
)
、又
従姉妹
(
いとこ
)
たち——その他の人達とも話を
交
(
まじ
)
へたりして、各人のその後の運命や生活内容にも、久しぶりで触れることができた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
浪子が伯母加藤子爵夫人の長女、千鶴子というはこの
娘
(
こ
)
なり。浪子と千鶴子は
一歳
(
ひとつ
)
違いの
従姉妹
(
いとこ
)
同士。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ヘス、シャーラー、コーエンの三人は
従姉妹
(
いとこ
)
同士だということである。この中ではヘスが一番すぐれている。バッハの『カンタータ』を弾いたのなどは良かったが、日本にはない。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
(それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、
従姉妹
(
いとこ
)
たちかと想像される)庭園の池のほとりに、荒い縞の
袴
(
はかま
)
をはいて立ち、首を三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
岸本は愛子の口から——節子から言えば
年長
(
としうえ
)
の
従姉妹
(
いとこ
)
にあたる「根岸の姉さん」の口から、こうした噂を聞くように成ったことを楽しく考えた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
従姉妹
(
いとこ
)
が離散して、学資が途切れたので、休学して、しばらく寄宿舎を
退
(
しりぞ
)
いた間、夫婦で長屋を借りて世帯を持っていたいささかの
知己
(
しるべ
)
の処に世話になったが
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道太の姉や
従姉妹
(
いとこ
)
や
姪
(
めい
)
や、そんな人たちが、次ぎ次ぎににK市から来て、山へ登ってきていたが、部屋が暑苦しいのと、事務所の人たちに迷惑をかけるのを恐れて
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
イヴォンヌさんにしろ、
従姉妹
(
いとこ
)
の
槇子
(
まきこ
)
や
麻耶子
(
まやこ
)
にしろ、日本女学園のやんちゃな五人組。……また、叔父の秋作や
立上
(
たてがみ
)
氏。いま、ちょっとした過失の
贖罪
(
しょくざい
)
をしているあの気の弱い佐伯氏。
キャラコさん:09 雁来紅の家
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
お鶴は編み下げた髪のリボンを直して、短い着物の
皺
(
しわ
)
を延しながら
起立
(
たちあが
)
った。姉や
従姉妹
(
いとこ
)
が歌う種々な唱歌につれて、この娘は部屋の内を踊って遊んだ。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その人柄、
風采
(
とりなり
)
、姉妹ともつかず、主従でもなし、親しい中の友達とも見えず、
従姉妹
(
いとこ
)
でもないらしい。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女の親や姉や
従姉妹
(
いとこ
)
に対する強い反抗心も。長い
艱苦
(
かんく
)
の続いた三年の間の回想はこうして旅から叔父を迎えたことを夢のように思わせるという風であった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
こう言えば水臭いと、きっと私を
怨
(
うら
)
むだろうが、いつも言う通り、お前のような稼業をしている者とは、兄弟であったり
従姉妹
(
いとこ
)
であったりした上に、
皆
(
みんな
)
にたんと世話にもなった。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
菅の伯母さんとか
従姉妹
(
いとこ
)
とかいうような人達が、かわるがわる茶の間を出たり入ったりしている。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
従姉妹
(
いとこ
)
になってなかよくしましょう。
許嫁
(
いいなずけ
)
でも、夫婦でも、
情婦
(
いろ
)
でも、私、まけるわ、サの字だから。鬼にでも、魔にでも、蛇体にでも、何にでもなって見せてよ、芸人ですもの。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
近所の女だの、年上の
従姉妹
(
いとこ
)
だのに、母が絵解をするのを
何時
(
いつ
)
か聞きかじつて、草双紙の中にある人物の来歴が分つたものだから、鳥山秋作照忠、
大伴
(
おほとも
)
の若菜姫なんといふのが殊の外
贔屓
(
ひいき
)
なんです。
いろ扱ひ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
こうお俊が
従姉妹
(
いとこ
)
に言った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“従姉妹”の意味
《名詞》
従姉妹(いとこ、ジュウシマイ)
(漢字用例)女性のいとこ。年齢の上下を意識しない場合の用例。
(出典:Wiktionary)
従
常用漢字
小6
部首:⼻
10画
姉
常用漢字
小2
部首:⼥
8画
妹
常用漢字
小2
部首:⼥
8画
“従姉妹”で始まる語句
従姉妹同士