「キャラコさん」久生十蘭

青い波のうねりに、初島がポッカリと浮んでいる。英国種の芝生が、絨氈を敷いたようにひろがって、そのうえに、暖い陽ざしがさんさんとふりそそいでいる。一月だというのに桃葉珊瑚の緑が眼にしみるよう。椿の花が口紅のように赤い。正月も半ばすぎなの …

著者	久生十蘭
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説物語
初出	「新青年」博文館、1939（昭和14）年1月号
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約57分（500文字/分）
朗読目安時間	約1時間34分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

臭（ぐさ）晩餐（ディナー）言（ごん）後妻（のちぞえ）黒人（ニグロ）下着（シュミーズ）中音（メディアム）囀（さえずり）競売（オークション）糶（オークション）人格（ひと）口紅（ルウジュ）探（たず）汚（きたな）甲（かん）粋（シック）納（しま）親戚（みうち）三（さん）伊達（ダンデスム）寵児（ペット）常識（コンモン）得（う）心（しん）憫（あわれ）択捉（エトロフ）掌（て）損（そこな）斜視（すがめ）日（にち）昨年（きょねん）末弟（ばってい）柄（がら）流行（はやり）煖房（スチーム）痙攣（ひきつ）砂（いさご）空（から）謙譲（ひかえめ）一口（ひとくち）不撓（ふとう）両親（ふたおや）今年（ことし）今日（こんにち）今朝（けさ）他人（ひと）会釈（えしゃく）伽羅（きゃら）優（やさ）八重（やえ）円居（まどい）凄艶（せいえん）初島（はつしま）剛子（つよこ）劇（はげ）午（ひる）半白（はんぱく）卑猥（ひわい）厄介（やっかい）吼（ほ）味噌（みそ）和市（わいち）和爾（わに）嘱（しょく）嚥（の）囈言（うわごと）垢（あか）塑像（そぞう）大切（だいじ）奮（ふる）女々（めめ）室（へや）家（うち）容易（たやす）川奈（かわな）巴里（パリ）常春（とこはる）庭番（にわばん）弗（ドル）従兄（いとこ）従妹（いとこ）心根（こころね）悔（くや）慇懃（いんぎん）戸外（そと）扉（ドア）方（かた）明日（あす）昨日（きのう）時化（しけ）朝露（あさつゆ）槇子（まきこ）樹墻（じゅしょう）歯痒（はがゆ）母娘（おやこ）沼間（ぬま）洒落（しゃれ）海面（うなづら）淑（しと）湿布（しっぷ）

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