“このかみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
家兄42.9%
21.4%
兄上7.1%
兄長7.1%
実兄7.1%
氏上7.1%
義兄7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それは、家兄このかみだけの独り合点というものでさ。冗談でしょう。こんな大雪の日に、どやどや客に来られたひには、先だって大迷惑する」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれこのかみ大俣おほまたの王の子、曙立あけたつの王、次に菟上うがかみの王二柱。この曙立あけたつの王は、伊勢の品遲ほむぢ部、伊勢の佐那の造が祖なり。菟上うながみの王は、比賣陀の君が祖なり。次に小俣をまたの王は當麻の勾の君が祖なり。
「もし兄上このかみをはじめ、妻子一族まで、呉侯のためにちゅうせられたら、孔明はどんな面をして、独り世に生き残っておられましょう……哀しいかな、このきずな。ああ苦し、この事の処置」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このお方は、孔明軍師の兄上このかみです。およしなさい」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左門さきにすすみて、八九南のまどもとにむかへ、座につかしめ、兄長このかみ来り給ふことの遅かりしに、老母も待ちわびて、あすこそと臥所ふしどに入らせ給ふ。
左門大いに驚きて、兄長このかみ何ゆゑにこの九五あやしきをかたり出で給ふや。更に夢ともおぼえ侍らず。赤穴いふ。
りょう先生。——自分は先生の実兄このかみとは、年来の親友ですが」と魯粛は、個人的な親しさを示しながら、彼に話しかけた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のこるは後にも先にも赤兄ひとりと云へるのだが、兄の死後、氏上このかみの大刀だけは廻つて来たものの、冠位は相変らず小紫にすぎなかつた。
鸚鵡:『白鳳』第二部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
いわんや、荊州の故主劉表とは、血縁の間柄にて、わが君の義兄このかみたり、いまその血統絶え、荊州に主なきにあたって、義弟おとととし義兄このかみの業を承け継ぐに、何の不義、何の不可とする理由があろう。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)