家兄このかみ)” の例文
家兄このかみも息をひく時そういわれた。で、内事は張昭に問い、外事は周瑜にはかれとご遺言になった。きっと、それを守ろうと思う」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それは、家兄このかみだけの独り合点というものでさ。冗談でしょう。こんな大雪の日に、どやどや客に来られたひには、先だって大迷惑する」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家兄このかみ。そうふさいでいては、名智も策も出やしません。味方の士気にも影響する。同じ戦うなら、もっと陽気にやろうじゃありませんか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家兄このかみ、家兄。いつもあなたは、この張飛を、耳の中のあぶか、懐中の蟹のごとく、ものさわがしき男よと口癖におっしゃるが、今日は如何?」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「酒どころではない、おれは家兄このかみ玄徳の命をうけて、吏道を正しに来たものだ。赴任以来、汝はほとんど官務を見ていないというじゃないか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家兄このかみっ。無用の長問答は、もうよい程にして下さい。雪も風もつのるばかり、日が暮れますぞ、ぐずぐずしていると」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(桃園の縁もはかなき過去と成り果てました。家兄このかみ、はやく兵のご用意あって、義弟おとうとのうらみをそそぎ賜われ……)
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いったいあの孔明に、どれほどな才があるのですか。家兄このかみには少し人に惚れこみ過ぎる癖がありはしませんか」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不肖、家兄このかみに従うて、数十度のいくさに会し、いまだ先駈けを欠いたためしもないのに、この大戦に限って、関羽ひとりをお用いなきは、何か、おふくみのあることか
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家兄このかみ、願わくは不肖張衛に、入蜀にゅうしょくの兵馬を授けたまえ。誓って、この大理想を顕現してお目にかけん
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家兄このかみの皇叔には、べつに正当なご意見があることでしょう。それがしのあずかり知ることではない」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「われあやまって、豎子じゅしはかりごとにあたる。何の面目あって、生きて家兄このかみ(玄徳)にまみえんや」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わが家兄このかみは、万乗の御位についても、なおこの至らない愚弟をお忘れないとみえる」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やあ張飛! 張飛! またいらざる無法をするか。家兄このかみの命にそむくか!」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家兄このかみにも……」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)