“あね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アネ
語句割合
69.3%
13.4%
8.4%
義姉5.9%
紙雛1.0%
従姉0.5%
0.5%
0.5%
実姉0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かっぱとかっぱが顱合はちあわせをしたから、若い女は、うすよごれたがあねさんかぶり、茶摘、桑摘む絵の風情の、手拭の口にえみをこぼして
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人形としんねこ? ——いかにもお杉のあねさんは酒肴しゅこうぜんを前に、からだをくの字にして人形に寄り添って、しきりにながしめを送りながら口説いている。
すると時江には、もうこのうえ手段と云って、ただ子供のようにあねの膝に取りすがり、哀訴を繰り返すよりほかにないのだった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
といったその言葉の裏は、丸亀へ無心に行けだとは順平にも判ったが、そればっかりはと拝んでいる内に、ふと義姉あねの浜子のことを頭に泛べた。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
何時までも何時までも人形と紙雛あねさまとをあひ手にして飯事ままことばかりしてゐたらばさぞかし嬉しき事ならんを、ゑゑ厭や厭や、大人に成るは厭やな事、何故なぜこのやうに年をば取る、もう七月ななつき十月とつき
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
婚礼の日にも、お庄は母親と一緒に、昼間から従姉あねの家に行っていて、そこから媒介人なこうど夫婦と浅山夫婦とが附いて行くことになった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
婆さんが媒介人なこうどと一緒に、いい機嫌で帰って行ってから、従姉あね鬱陶うっとうしい顔をして、茶のへ出て来た。浅山は手酌で、まだそこに飲んでいた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
嘉代吉は若い男を振りかえって「あねそら(上)へ行けやい」とあごで指図しながら、杖をコツンと石について考えている。
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
あね※引ぱりも百までさ。)またその慓悍な声がすようにった。そしてまたしんとした。そして心配しんぱいそうないきをこくりとのむ音が近くにした。
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
浅山がなにかにつけて、始終実姉あねの家の厄介やっかいになっていることは、お庄も従姉あね愚痴談ぐちばなしで知っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)