“紙雛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かみびな42.9%
あね28.6%
かみひいな14.3%
かみひな14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幅の狭い肩をいよいよ紙雛かみびなのように縮めていたが、野村は酔がまわるにつれてだんだん饒舌じょうぜつになって行くのが、雪子と云うものを眼の前に見ている結果の、興奮のせいでもあるらしかった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
何時までも何時までも人形と紙雛あねさまとをあひ手にして飯事まゝごとばかりして居たらば嘸かし嬉しき事ならんを、ゑゝ厭や厭や、大人に成るは厭やな事、何故このやうに年をば取る、最う七月なゝつき十月とつき
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ただあのちんひきというのだけは形もしなもなくもがな。紙雛かみひいなしまの雛、豆雛まめひいな、いちもんびなと数うるさえ、しおらしく可懐なつかしい。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その折婦人たましよには、父親や財産のおかげで、結構な亭主を持つ事の出来た多くの婦人達が、紙雛かみひなのやうにきちんと、そしてまた紙雛のやうに何一つ考へないで立つてゐた。