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賑
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にぎわい
ふりがな文庫
“
賑
(
にぎわい
)” の例文
浅草奥山の
賑
(
にぎわい
)
は今も昔も変りがなく、見世物小屋からは景気のよい囃子の音が聞こえてきた。恐ろしいような人出であった。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
かくて年は暮れたり。画工は正月の
松飾
(
まつかざり
)
整ひたる吉原の
廓
(
くるわ
)
に
看客
(
かんかく
)
を導き、一夜明くれば初春迎ふる色里の
賑
(
にぎわい
)
を見せて、ここにこの絵本を完了す。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
酸漿屋
(
ほおずきや
)
の店から灯が
点
(
とも
)
れて、絵草紙屋、小間物
店
(
みせ
)
の、夜の
錦
(
にしき
)
に、
紅
(
くれない
)
を織り込む
賑
(
にぎわい
)
となった。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この岡の
方
(
ほう
)
へおいでなさい。まるでプラアテル同様な
賑
(
にぎわい
)
です。4210
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
この他、平日にても
普請
(
ふしん
)
といい買物といい、また
払物
(
はらいもの
)
といい、経済の
不始末
(
ふしまつ
)
は諸藩同様、
枚挙
(
まいきょ
)
に
遑
(
いとま
)
あらず。もとより江戸の町人職人の
金儲
(
かねもうけ
)
なれども、その一部分は間接に藩中一般の
賑
(
にぎわい
)
たらざるを得ず。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
屋根船はその間にいつか両国の
賑
(
にぎわい
)
を
漕
(
こ
)
ぎ過ぎて
川面
(
かわもせ
)
のやや薄暗い
御蔵
(
おくら
)
の
水門
(
すいもん
)
外
(
そと
)
に
差掛
(
さしかか
)
っていたのである。燈火の光に代って
蒼々
(
あおあお
)
とした夏の夜の空には
半輪
(
はんりん
)
の月。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
並木の茶屋の
賑
(
にぎわい
)
と町を歩く
新内
(
しんない
)
の流しが聞えて
駒形堂
(
こまかたどう
)
の白い壁が月の光に
蒼
(
あお
)
く見え出した。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
天保十三年
浅草山
(
あさくさやま
)
の
宿
(
しゅく
)
に移転を命ぜられし江戸三座劇場の
賑
(
にぎわい
)
も、また吉原と同じく、広重の名所絵においては
最早
(
もはや
)
春朗
(
しゅんろう
)
豊国らの描きし
葺屋町
(
ふきやちょう
)
堺町
(
さかいちょう
)
の如き雑沓を見ること能はず。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
われは或一派の詩人の如く
銀座通
(
ぎんざどおり
)
の
燈火
(
とうか
)
を以て直ちにブウルヴァールの
賑
(
にぎわい
)
に比し帝国劇場を以てオペラになぞらへ
日比谷
(
ひびや
)
の公園を取りてルュキザンブルに
擬
(
ぎ
)
するが如き誇張と仮設を
矢立のちび筆
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
賑
漢検準1級
部首:⾙
14画
“賑”を含む語句
殷賑
賑合
賑々
大賑
賑恤
賑々敷
御賑
内賑
賑本通
賑済
賑町
開倉廩賑給之