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浅草山
出し
半合羽日和下駄にて
浅草山の
宿辺の
住居より木挽町楽屋へ通ひ衣裳
鬘大小の道具帳を書きまた番附表看板
等の下絵を綺麗に書く。
已に
葺屋町堺町の両芝居は
浅草山の
宿の
辺鄙へとお取払いになり、また役者
市川海老蔵は身分不相応の
贅沢を
極めたる
廉によってこの春より御吟味になった。
天保十三年
浅草山の
宿に移転を命ぜられし江戸三座劇場の
賑も、また吉原と同じく、広重の名所絵においては
最早春朗豊国らの描きし
葺屋町堺町の如き雑沓を見ること能はず。