台辞ぜりふ)” の例文
旧字:臺辭
ところで、何でも、その桜の枝と、瓢箪が、幇間の手に渡るのをきっかけに、おのおのにぎやかなすて台辞ぜりふで、しも手ですか、向って右へ入ると、満場ただ祇園の桜。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それからまたあの前日の会見の台辞ぜりふといい、半次の日常生活といい、十六貫もあろうというお千の身体を大木に吊り下げたといい、半次を真犯人と断定する材料は決して少くなかった。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何故でも振られる理由わけが有るのだもの、と顔を少し染めて笑ひながら、それじやあ己れも一廻りして来ようや、又のちに来るよと捨て台辞ぜりふしてかどに出て、十六七の頃まではてふよ花よと育てられ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
捨て台辞ぜりふをいって、のっそりと歩きだした。
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)