無精むしょう)” の例文
「それア素晴しい自負だ!」と云って、その時私たちは無精むしょうに喜んだ。その自負を最後まで貫徹するために、彼奴等に、捕かまったりしてはならなかった。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
すなおに——しとやかに——さりながらやたら無精むしょうにかきまわす事の出来ない厳かさを持って居る。
僕は君に逢って、全く無精むしょうに嬉しい。さあとにかくそこに腰を下したまえ。そしてどうして君が、あんな恐ろしい断崖から生きて還ったか、その顛末を話してくれたまえ
何だかしらんが無精むしょうに腹が立った。そしてとうとう、力任せに歯をひっこぬいてしまった。
溺るるもの (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)