『或夜（あるよる）』

季子は省線市川驛の待合所に入つて腰掛に腰をかけた。然し東京へも、どこへも、行かうといふ譯ではない。公園のベンチや路傍の石にでも腰をかけるのと同じやうに、唯ぼんやりと、しばらくの間腰をかけてゐやうといふのである。 改札口の高い壁の上に裝置して …

著者	永井荷風
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「勲章」扶桑書房、1947（昭和22）年5月10日
文字種別	旧字旧仮名
読書目安時間	約12分（500文字/分）
朗読目安時間	約20分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

勝（が） 食（くら） 無性（ぶしやう） 匂（にほ） 往來（ゆきゝ） 季子（すゑこ） 蹲踞（しやが） 麺麭（ぱん） 眞（しん） 甘（あま） 腹（はら） 下（くだ） 居辛（ゐづら） 姉妹（きやうだい） 躓（つまづ） 入（はい） 先（さき） 面立（おもだち） 跡（あと） 貪（むさぼ） 譯（わけ） 許（もと） 蔭（かげ） 華美（はで） 間（ま） 義兄（あに） 欠伸（あくび） 目當（めあて） 灯影（ほかげ） 灯（ひ） 未練（みれん） 木立（こだち） 日數（ひかず） 擽（くすぐ） 小徑（こみち） 容易（たやす） 厭（いや） 傍（そば） 側（そば） 來（き） 人崩（ひとなだれ）

題名が同じ作品

或夜 （新字新仮名）／ 永井荷風 （著）