おのの)” の例文
九月一日、二日、三日と三宵にわたり、庭の大椎おおしいくろく染めぬいて、東に東京、南に横浜、真赤に天をこがす猛火のほのおは私共の心魂しんこんおののかせました。頻繁な余震も頭を狂わせます。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
恐ろしい予感が刻々迫って来て、こういう悲惨を聞く日があるのを予期しない事はなかったが、その日の朝刊の第一面の大活字を見た時は何ともいい知れないおののきが身体中からだじゅうを走るような心地ここちがした。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)