“わなな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.4%
37.0%
9.3%
戦慄3.7%
震慄3.7%
震憟1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女は馬車の上で斯う云つてわななくやうに身をすり寄せた。北部仏蘭西の街の十月の夜の辻風は可なりに寒い。二人の気息が白くまじり合つた。
素描 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
彼らがのんどに氷を与えて苦寒に怖れわななかしめよ、彼らが胆に針を与えて秘密の痛みに堪えざらしめよ、彼らが眼前めさきに彼らがしたる多数おおく奢侈しゃしの子孫を殺して、玩物がんぶつの念を嗟歎さたんの灰の河に埋めよ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ともすれば、嗚咽おえつと変りそうなわななき声を、実平はいて、励ましながら、言葉をつづけた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの少年たちがやはり生きている人だったという適確な証明のない限り、全身全霊を戦慄わななかせてくるこの気味悪さをもはや私にはどうすることもできないのであった。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
うち向ふ暗き葉柳はやなぎ震慄わななきつ、さは震慄わななきつ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さうしてまだ知らぬ人生の「秘密」を知らうとする幼年の本能は常に銀箔の光を放つ水面にかのついついと跳ねてゆく水すましの番ひにも震憟わなないたのである。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)