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慄
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おのの
ふりがな文庫
“
慄
(
おのの
)” の例文
王問うてその鐘に血を塗るため殺されに
之
(
ゆ
)
くを知り、これを
舎
(
ゆる
)
せ、われその罪なくして
慄
(
おのの
)
きながら死地に就くに忍びずと言う。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その中には彼の若い妻もいた。口には抑えているが、心のうちの淋しさは思いやられるのである。抱かれて
慄
(
おのの
)
く彼女の
肢体
(
したい
)
がそれを語っていた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
命を望む時に吹かれることになつてゐる角笛の音がして来る、相抱いて恐怖に
慄
(
おのの
)
く新郎新婦の前にやがてその老人が現れて来て、命を受取ると云ひ
註釈与謝野寛全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
いずれも
怪我
(
けが
)
は
免
(
のが
)
れぬところと、老いたるは震い
慄
(
おのの
)
き、若きは
凝瞳
(
すえまなこ
)
になりて、ただ一秒ののちを危ぶめり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
國手は風邪とチブスとの間に別に輕重をも認めぬやうな無造作な口吻であつたが、春三郎は戰々兢々として唯此一撃を恐れつゝあつたので體の肉の
慄
(
おのの
)
くのを覺えた。
続俳諧師:――文太郎の死――
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
奉行は調べられてもただ
慄
(
おのの
)
くばかりで、その何故かを知らなかった。ただ思い当ることとして、途中、左慈という奇異な老人に出会ったことを語った。曹操は聞いて
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして波間に漂う落葉の色を見ると、奥の嶺々を飾っていた紅葉は、そろそろ散り始めて山肌をあらわに薄寒く、隣の谷まで忍び寄ってきた冬に
慄
(
おのの
)
いているさまが想えるのである。
木の葉山女魚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
梅仙女は恐れ
慄
(
おのの
)
き、江柄三十郎は石に打たれたように打ちひしがれました。併し歓楽の
余燼
(
もえさし
)
は、その下から情火を煽って、恐れと疑いとの中にも、二人の宴楽は暁方まで続きました。
新奇談クラブ:01 第一夜 初夜を盗む
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
花桐はふしぎな
顫
(
ふる
)
えをかんじていたことだろう、指がちょっとさわっても顫え、話をしているだけでも顫えた彼女に、それらの総ての
慄
(
おのの
)
きがなくなったいまは、その顫えが心の奥ふかくはいりこんで
花桐
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
自分のたましいがひやりと
慄
(
おのの
)
いたのを感じた。
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
内心ひそかに恐れ
慄
(
おのの
)
くのが常である。
血の盃
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
深沈なる馭者の魂も、このとき
跳
(
おど
)
るばかりに
動
(
ゆらめ
)
きぬ。渠は驚くよりむしろ呆れたり。呆るるよりむしろ
慄
(
おのの
)
きたるなり。渠は色を変えて、この美しき
魔性
(
ましょう
)
のものを
睨
(
ね
)
めたりけり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一の大将分の奴が無造作に飛ぶを見て他の輩が多少
慄
(
おのの
)
きながら随い飛べど、最後の一、二疋は他の輩の影見えぬまで決心が出来ず、今は全く友達にはぐれると気が付き
捨鉢
(
すてばち
)
になって身を投げ
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
何か怖ろしい悪魔でも見うけたように
慄
(
おのの
)
きが背を走った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、惜しみもし、
慄
(
おのの
)
きもした。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
慄
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
“慄”を含む語句
戦慄
慄然
戰慄
震慄
身慄
慄毛
慄々
慄気
慄立
胴慄
大戦慄
顫慄
慄悍
慄動
恐怖戦慄
骨慄
凄慄
寒慄
小慄
心慄
...