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慄
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ぞつ
ふりがな文庫
“
慄
(
ぞつ
)” の例文
「
無事
(
ぶじ
)
であつて
何
(
なに
)
よりじや。その
黒
(
くろ
)
い
大
(
おほ
)
きな
山
(
やま
)
とは、
鯨
(
くじら
)
ぢやつた。おそろしいこと、おそろしいこと、
聞
(
き
)
いただけでも
慄
(
ぞつ
)
とする」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
その話を聞いて彼は
慄
(
ぞつ
)
と寒気を感じたが、暇つぶしな人怖らせの空想として強ひて一笑に附し去らんとするのであつた。
吸血鬼
(新字旧仮名)
/
ジョン・ウィリアム・ポリドリ
(著)
父の色慾を遺伝したかと思ふと
慄
(
ぞつ
)
とする。のみならず、借金しても何とも感じない処は父の悪い処を皆遺伝して居る——罪の遺伝?——と考へ込んで身震ひした。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
丑松の空想は忽ち
掻乱
(
かきみだ
)
されて、
慄
(
ぞつ
)
とするやうな現実の世界へ帰るさへあるに、
加之
(
おまけに
)
、文平が
忸々敷
(
なれ/\し
)
い調子で奥様に話しかけたり、お志保や省吾を笑はせたりするのを見ると
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
養母
(
おつか
)
さん、お前は大臣なんてものが、
其様
(
そんな
)
に
難有
(
ありがたい
)
のかネ、——
私
(
わたし
)
に取つちや一生忘られない
仇敵
(
かたき
)
なんだよ——、あゝ、思うても
慄
(
ぞつ
)
とする、三月の十五日、私の為めの何たる厄日であつたのか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
如夜叉
(
によやしや
)
と思ひ込し
最
(
いと
)
物堅
(
ものがた
)
き長三郎も
流石
(
さすが
)
木竹
(
きだけ
)
に非れば此時
初
(
はじめ
)
て
戀風
(
こひかぜ
)
の
襟元
(
えりもと
)
よりして
慄
(
ぞつ
)
と
染
(
し
)
み娘も見たる其人は本町
業平俳優息子
(
なりひらやくしやむすこ
)
と
綽名
(
あだな
)
の有は知らざれど
比
(
たぐ
)
ひ
稀
(
まれ
)
なる美男なれば是さへ茲に
戀染
(
こひそ
)
めて斯いふ男が又有らうか
斯
(
かう
)
いふ女が又有らうかと
互
(
たがひ
)
に
恍惚
(
みとれ
)
茫然
(
ばうぜん
)
と
霎時
(
しばし
)
言葉もあらざりしが
稍々
(
やう/\
)
にして
兩個
(
ふたり
)
が
心附
(
こゝろづい
)
ては
羞
(
はづか
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
慄
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
“慄”を含む語句
戦慄
慄然
戰慄
震慄
身慄
慄毛
慄々
慄気
慄立
胴慄
大戦慄
顫慄
慄悍
慄動
恐怖戦慄
骨慄
凄慄
寒慄
小慄
心慄
...