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悸然
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ぎょっ
ふりがな文庫
“
悸然
(
ぎょっ
)” の例文
狂人
(
きちがい
)
か、乞食か、
但
(
ただ
)
しは
彼
(
か
)
の
山𤢖
(
やまわろ
)
の
眷族
(
けんぞく
)
か、殆ど正体の判らぬ
此
(
こ
)
の老女を一目見るや、市郎も
流石
(
さすが
)
に
悸然
(
ぎょっ
)
とした。トムが
怪
(
あやし
)
んで吠えるのも無理は無い。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ところが或事に気付いた私は
悸然
(
ぎょっ
)
としました、
外
(
ほか
)
でもありません。中谷なら髪を長く伸している筈ですのに、いま映った影法師はたしか
毬栗頭
(
いがぐりあたま
)
だったではありませんか。
流転
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
扨はいよいよ怪物の
所為
(
しわざ
)
だと、
猶
(
なお
)
能
(
よ
)
くよく
四辺
(
あたり
)
を見ると、其の辺は一面の枯草に埋っていて、三間ばかり先は切ッ
立
(
たて
)
の崖になっているので、三人は思わず
悸然
(
ぎょっ
)
として
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
わたくしは
悸然
(
ぎょっ
)
として振返りましたが、そこらに見識つたやうな顔は
見出
(
みいだ
)
されませんでした。なにかの聞き違ひかと思つてゐますと、もう一度おなじやうな声がきこえました。
停車場の少女:――「近代異妖編」
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
忠一も一旦は
悸然
(
ぎょっ
)
としたが、
猶
(
なお
)
其
(
そ
)
の様子を見届ける為に、倒れたる女を抱え
起
(
おこ
)
して、比較的薄明るい
門口
(
かどぐち
)
へ連れ出して見ると、
正
(
まさ
)
しく女には相違ないが、もう息は絶えていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
はッと思って目を据えると、驚くべし、小僧の尻の左右に金銀の大きな眼があって、爛々として我を睨むが如くに輝いているから、一時は思わず
悸然
(
ぎょっ
)
としたが、
流石
(
さすが
)
は平生から武芸自慢の男
河童小僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
市郎は
悸然
(
ぎょっ
)
として
熟
(
よく
)
視
(
み
)
ると、これは𤢖では無いらしい。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
悸
漢検1級
部首:⼼
11画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“悸”で始まる語句
悸
悸々
悸乎
悸気
悸動
悸毛
悸病