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比丘
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びく
ふりがな文庫
“
比丘
(
びく
)” の例文
絢爛
(
けんらん
)
な色彩の古画の諸仏、
羅漢
(
らかん
)
、
比丘
(
びく
)
、
比丘尼
(
びくに
)
、
優婆塞
(
うばそく
)
、
優婆夷
(
うばい
)
、象、
獅子
(
しし
)
、
麒麟
(
きりん
)
などが四壁の紙幅の内から、ゆたかな光の中に泳ぎ出す。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
物はこの
煙草盆
(
たばこぼん
)
であれば、同時にこの薬瓶であることはできない。人は王であれば
比丘
(
びく
)
であることはできない。じつに不自由なものである。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
彼は平然として
無慚無愧
(
むざんむき
)
の生活をしている。無戒者は無自覚者である。「非僧非俗」と称した親鸞は自己の身において無戒名字の
比丘
(
びく
)
を見た。
親鸞
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
(『
十誦律
(
じゅうじゅりつ
)
』にいわく、「
比丘
(
びく
)
、火葬を疑う、身中の八万戸の虫を殺さんと。仏いわく『人死すれば、虫もまた死す』」と)
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
されば、善根、回向は
比丘
(
びく
)
のつとめ。ましてこの身は見られる如く世を捨てた沙門、お礼のことはひらに要り申さぬ。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
伊「これには
種々
(
いろ/\
)
の
理由
(
わけ
)
があって……今じゃアこんなお恥かしい
形
(
なり
)
をしていますよ、あなたこそなんだってお
比丘
(
びく
)
さんにはお成んなさったのでげす」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鴎外は漢字に訳して
蟹
(
かに
)
屋と書いたこともある。わたしが後年いったころにはこれに類する家はビクトリア・ルイゼ広場にあって
比丘
(
びく
)
と略称されていた。
カフェー
(新字新仮名)
/
勝本清一郎
(著)
道命は無戒の
比丘
(
びく
)
じゃが、既に
三観三諦即一心
(
さんかんさんたいそくいつしん
)
の
醍醐味
(
だいごみ
)
を
味得
(
みとく
)
した。よって、
和泉式部
(
いずみしきぶ
)
も、道命が
眼
(
まなこ
)
には
麻耶夫人
(
まやふじん
)
じゃ。
男女
(
なんにょ
)
の交会も
万善
(
ばんぜん
)
の
功徳
(
くどく
)
じゃ。
道祖問答
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僧一 ——(釈尊に一礼して)破戒の
比丘
(
びく
)
は絡め取って、教団から追放するのが
掟
(
おきて
)
で御座います。師よ。阿難を掟通りに致します。どうぞお許し下さい。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
世尊諸
比丘
(
びく
)
に向いその因縁を説きたまわく、昔
迦葉仏
(
かしょうぶつ
)
入滅せるを諸人火葬し、
舎利
(
しゃり
)
を収め塔を立てた時、
居士女
(
こじのじょ
)
極めて渇仰して明鏡を塔の相輪中に
繋
(
つな
)
ぎ
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
応賢の二人は
比丘
(
びく
)
と称し、程済は
道人
(
どうじん
)
と称して、常に左右に侍し、
馮㴶
(
ひょうかく
)
は
馬二子
(
ばじし
)
と称し、
郭節
(
かくせつ
)
は
雪菴
(
せつあん
)
と称し、
宋和
(
そうか
)
は
雲門僧
(
うんもんそう
)
と称し、
趙天泰
(
ちょうてんたい
)
は
衣葛翁
(
いかつおう
)
と称し
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
竜之介氏と妹御のお綾さんとの母親になる方は、その頃は未亡人で、頭を丸めてお
比丘
(
びく
)
さんのように坊さんでしたが、そんなにお
婆
(
ばあ
)
さんではありませんでした。
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
行子が黒谷の尼院の
局
(
つぼね
)
まがいで、似たような境遇の
預姫
(
あずかりひめ
)
と長い一日をもてあましていたころ、
雑仕
(
ぞうし
)
の
比丘
(
びく
)
尼たちの乏しい
食餌
(
しょくじ
)
に悩み、
古柯
(
こか
)
という葉を灰で揉んで噛んだり
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
けれども法王といえば
具足戒
(
ぐそくかい
)
を備えた
比丘
(
びく
)
である。この戒法の上からいうと事の善悪いかんに拘わらず人を殺せという命令は出来ないはずです。たとい殺してもよい者にしてもです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
寒念仏
(
かんねぶつ
)
、
賢
(
さか
)
し
比丘
(
びく
)
らが国や追ふ。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
比丘
(
びく
)
、
比丘尼
(
びくに
)
、
憂婆塞
(
うばそく
)
、
憂婆夷
(
うばい
)
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
村の
衆
(
しゅ
)
がお
比丘
(
びく
)
様とか尼様とか云って、
種々
(
いろ/\
)
喰物
(
たべもの
)
を持って来て呉れるので、
何
(
ど
)
うやら
斯
(
こ
)
うやら命を
繋
(
つな
)
いでいるというだけのことで、此の頃は
漸々
(
よう/\
)
心附いて
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこへ老いた
比丘
(
びく
)
が托鉢に来たので、鄔陀夷はどんな人と問うと、大臣の家に生まれたが出家したと答う。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
又
天竺
(
てんじく
)
の佛教
比丘
(
びく
)
も、
器物
(
うつわもの
)
は
髑髏
(
どくろ
)
の如し、飯は虫の如し、衣は
蛇
(
くちなわ
)
の皮の如しと説き、唐土の
道宣
(
どうせん
)
律師も、
器
(
うつわ
)
はこれ人の骨也、飯はこれ人の肉也と説いておられるのであるが
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かの仏遺教経の遠離功徳分にあるごとく「寂静無為の安楽を求めんと欲す」る
比丘
(
びく
)
は「
当
(
まさ
)
に
憒閙
(
かいどう
)
を離れて独処に
閑居
(
かんきょ
)
し」「当に己衆他衆を捨てて空間に独処し」なくてはならない。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
坐つて居るといふことと起きて居るといふこととは一枚になつてゐるので、
比丘
(
びく
)
たる者は決して無記の睡に落ちるべきでは無いこと、
仏説離睡経
(
ぶつせつりすゐきやう
)
に説いてある通りだといふことも知つて居なかつた。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
後世
(
ごせ
)
安楽
(
あんらく
)
の願かけて
巡
(
めぐ
)
る
比丘
(
びく
)
らが
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
六群
比丘
(
びく
)
とて仏弟子ながら、
毎
(
いつ
)
も戒律を破る六人の僧あり。質帝隷居士、百味の食を作り、清僧を請じ、余り物もてこの六比丘を請ぜしに、油と塩で
熬
(
に
)
た魚をくれぬが不足だ。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
坐っているということと起きているということとは一枚になっているので、
比丘
(
びく
)
たる者は決して
無記
(
むき
)
の
睡
(
ねむり
)
に落ちるべきではないこと、
仏説離睡経
(
ぶっせつりすいきょう
)
に説いてある通りだということも知っていなかった。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
諸天
(
しよてん
)
諸菩薩
(
しよぼさつ
)
比丘
(
びく
)
比丘尼
(
びくに
)
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
玄奘三蔵の『大唐西域記』巻十二
烏鎩国
(
うせつこく
)
の条に、その都の西二百余里の大山頂に
卒都婆
(
そとば
)
あり、土俗曰く、数百年前この山の崖崩れた中に
比丘
(
びく
)
瞑目
(
めいもく
)
して坐し、躯量偉大、形容
枯槁
(
ここう
)
し
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『解脱戒本経』に、もし
比丘
(
びく
)
、女人の前において自ら身を讃め、姉妹我ら戒を持し善く梵行を修す、まさに婬慾を以て供養すべし、この法は供養最も第一と言わば、
僧伽婆
(
そうがば
)
尸沙罪
(
ししゃざい
)
たりという。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
五百の乞食上りの
比丘
(
びく
)
が、北洲に往って、自然成熟の粳米を採り還って満腹賞翫したので、
祇陀
(
ぎだ
)
太子大いに驚き、因縁を問うと、仏答えて、過去
久遠
(
くおん
)
無量無数不可思議
阿僧祇劫
(
あそうぎこう
)
と念の入った長い大昔
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
“比丘”の解説
比丘(びく、pi: Bhikkhu、sa: Bhikṣu)は、仏教において出家し、具足戒を守る男性の修行者である。女性の出家修行者は比丘尼(びくに, Bhikkhunī)。梵語形のBhikṣuの音写から苾芻(びっしゅ)ともいう。日本では一般には僧侶、お坊さんと呼ぶ。
比丘の生活は涅槃に達することを目的としており、質素な生活を送ることで自身の修行の助けとなるよう設計されている。
(出典:Wikipedia)
比
常用漢字
小5
部首:⽐
4画
丘
常用漢字
中学
部首:⼀
5画
“比丘”で始まる語句
比丘尼
比丘尼寺
比丘様
比丘尼坂
比丘尼店
比丘尼衆
比丘尼御所
比丘尼横丁
比丘尼頭巾
比丘賢解主