“低(びく)” の例文
次第低(びく)に、耐力(たわい)なく根を抜いて、すっと掻巻(かいまき)の上へ倒れたらしい心地がすると、ひしひしと重量(おもみ)が掛(かか)って、うむ、と圧(お)された同然に、息苦しくなったので、急いで、刎退(はねの)けに懸(かか)ると
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と大言(たいげん)吐(は)きし昔(むかし)の心(こゝろ)の恥(はづ)かしさよ誰(た)れが好(この)んで牛馬(ぎうば)の代(かは)りに油汗(あぶらあせ)ながし塵埃(ぢんあい)の中(なか)馳(は)せ廻(めぐ)るものぞ仕樣(しやう)模樣(もやう)の竭(つ)きはてたればこそ恥(はじ)も外聞(ぐわいぶん)もなひまぜにからめて捨(す)てた身(み)のつまり無念(むねん)も殘念(ざんねん)も饅頭笠(まんぢうがさ)のうちに包(つゝ)みて參(まゐ)りませうと聲(こゑ)低(びく)に勸(すゝ)める心(こゝろ)いらぬとばかりもぎだうに過(す)ぎ行(ゆ)く人(ひと)それはまだしもなりうるさいは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)